東京ガス、管理会計基盤で手作業を廃止 予算と実績を一元化し意思決定を高度化

2026年6月24日09:00|ニュースCaseHUB.News編集部
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 東京ガスは、グループ全体のスタッフ業務改革を進める目的で、クラウド型の管理会計プラットフォーム「Athena」を構築した。システムの構築にあたっては、PwCコンサルティングとSAPジャパンの支援を受けた。6月23日、PwCコンサルティングが発表した。従来の手作業や複雑な表計算ソフトによる非効率な業務プロセスを刷新し、予算、実績、見通しデータを一元的に管理する体制を整えた。今後は、データに基づく迅速な経営判断であるデータドリブン経営の推進に向けて、対象事業の拡大やさらなる機能拡充を進める。

 東京ガスグループは、2023年度から2025年度までの中期経営計画で、収益力の強化を掲げている。そのための具体的な目標として、生産性の倍増と間接業務の40~50%の削減を推進してきた。しかし従来の業務プロセスでは、多くの関係者が関与する手作業が中心となっており、複雑な表計算ソフトを使った部門間のデータ受け渡しが頻発していた。こうした状況がスタッフ業務の非効率さを招き、データ集計の迅速化や分析の高度化に向けた大きな課題となっていた。

 こうした背景から、同社は業務プロセスの抜本的な見直しを決断。複数のソリューションを検討した結果、柔軟で高度な計画立案や分析が可能な「SAP Analytics Cloud」を新たな管理会計プラットフォームの基盤として採用した。選定にあたっては、先行して稼働していた会計基幹システム「NOAH」との連携性の高さも大きなポイントになった。NOAHは、既存の基幹システムのクラウド移行と近代化を支援するプログラムを活用して導入されたもので、この既存基盤とのスムーズなデータ連携が業務の簡素化に不可欠だと判断した。

 新システムであるAthenaの構築プロジェクトでは、PwCコンサルティングが国内でのシステム導入実績やこれまでの予算制度改革で培った方法論を提供し、業務プロセスの変革に伴走した。SAPジャパンは最新のテクノロジーを活用して、計画、分析、予測といった各業務の高度化を支えた。2025年12月には第1段階として、都市ガス事業の予算編成に関わるシステムが稼働を開始し、その後も安定した運用を継続している。

 今回のシステム刷新によって、煩雑だった部門間のデータ受け渡しや手作業による集計業務が整理され、プロセス全体の整流化を達成した。会計基幹システムとの密接な連携が図られたことで、予算や実績、将来の見通しに関するデータが一元的に管理できるようになり、経営データの分析や将来予測にかかる業務の精度とスピードが向上した。

 今後は、Athenaの機能拡充と適用範囲の拡大を段階的に進める。第2段階では電力事業やソリューション事業への展開を計画している。将来的には、事業ポートフォリオ管理の最適化、投下資本利益率(ROIC)を用いた経営管理の高度化、資本構成の最適化などに取り組み、客観的なデータに基づく経営体制を確立していく。

ニュースリリース