山陰合同銀行は、Webサイトおよびコンタクトセンターの問い合わせ窓口に、有人チャット「MOBI AGENT」などモビルスの六つのソリューションを導入した。2025年3月から運用を開始している。6月26日、モビルスが発表した。若年層を中心とするオンライン解決ニーズに対応し、月間約2万件にのぼる受電負荷の軽減と顧客体験(CX)の向上を図る。
山陰合同銀行は、島根県松江市に本店を置く地方銀行で、山陰(島根・鳥取)を地盤としつつ山陽・関西にも展開する地域密着型の上場銀行だ。同銀行は、対面とデジタルを融合させる「オムニチャネルプロジェクト」を推進しているが、取扱商品が多岐にわたるためWebサイトの情報が膨大になり、顧客が自力で適切な窓口へ辿り着きにくい課題を抱えていた。また、営業店やセンターへの受電集中による対応負荷や、オペレーターの応対履歴作成に要する時間も現場の負担となっていた。そこで同行は、デジタルチャネルでの自己解決促進と業務効率化に向けてシステムの刷新を決めた。
導入したシステムでは、ビジュアルIVR「Visual IVR」によりWebサイト上に直感的なメニューを表示。顧客自身が目的を選択し、よくある質問(FAQ)や有人チャットなど最適な窓口へ最短ルートで遷移できる導線を構築した。新設した有人チャット窓口では、チャットボット「MOBI BOT」での事前ヒアリングとMOBI AGENTを連携。これにより、有人チャット窓口への問い合わせ件数は月間500件に達し、応答率99%、チャット内での解決率89%を達成した。
厳格な情報管理を維持するため、個人情報を安全に扱う「Secure Path」や二段階認証機能「Secure MFA」を採用し、入力された個人情報を履歴に残さずその場で消去できる高セキュリティな運用を徹底している。さらに、オペレーション支援AI「MooA」の導入により、有人チャット対応後の会話履歴を生成AIが自動で要約・カテゴリー分類する仕組みを構築。オペレーターの後処理時間を短縮し、記録作成の事務負担を軽減した。
今回の取り組みにより、顧客が迷わず解決策に辿り着ける環境が整い、間違い電話の削減やオペレーター同士の気軽な相談による心理的負担の解消といった効果があらわれている。今後は、効率化で創出した時間を能動的な営業活動へ転換し、収益拡大を担うプロフィットセンターへの変革を進める。また、自己解決が可能な領域において生成AIを活用した「AIエージェント型ボイスボット」の導入検討も進めていく。