リーガルメディアなどを展開するアシロは、複数のSaaSを組み合わせたデータ連携基盤の運用効率化とコスト削減を目的に、クラウド型ETLツール「Reckoner」を採用した。7月9日、同ツールを提供するスリーシェイクが発表した。ワークフローの一元管理により、当初想定していたデータウェアハウス構築を行うことなくデータの加工や整形まで対応できる体制を整え、月額ランニングコストの削減と経理業務の自動化につなげた。今後は各部門に分散しているデータを一元集約するパイプラインとしての活用も目指す。
アシロは、弁護士向け「リーガルメディア」を主力とするインターネット企業で、法律相談ポータル「ベンナビ」シリーズを中心にメディア、HR、保険などの事業を展開している。同社が運用していたデータ連携基盤では、長大なSQLを多用した処理が複数存在し、特定の担当者に依存した構成となっていた。その結果、組織体制の変更に伴う引き継ぎが難しく、毎月多額の保守費用も発生していた。
一方で、経理担当者は毎月「kintone」や「請求管理ロボ」など複数のSaaSにログインし、CSVファイルのダウンロードや取り込みを手作業で行っており、現場の作業負担と管理負荷の高さが課題となっていた。複数事業・複数システムにまたがるデータを扱う中で、これらのSaaS間のデータ連携を効率化することは、同社にとって喫緊のテーマとなっていた。
こうした背景から同社は移行先の検討を開始し、複数のツールを比較した結果、Reckonerを選定した。選定にあたっては、請求管理ロボのデータをAPI経由で取得するためのHTTPコネクターが標準で利用できる点を評価した。また、ノーコードかつGUIベースで直感的に操作できる画面設計のため、専門知識のない非エンジニアであってもワークフローの全体像を把握しやすく、属人化を防いで運用しやすいと判断した。
Reckonerの導入に伴い、同社は計4本のワークフローを構築した。kintoneの複数アプリのデータを組み合わせてフィールド変換や日付変換などを行い、経理業務で利用する3種類のCSVファイルを自動生成する仕組みを整備。さらに、kintoneのデータをそのまま「Amazon S3」へ格納する処理や、請求管理ロボのデータをHTTP API経由で取得・加工してAmazon S3へ連携する環境を構築した。これにより、ツールの持つスケジュール実行機能を活用し、必要なデータが自動的に所定の保存先へ連携される仕組みが確立された。
導入の結果、高コストだった既存環境からのリプレースに成功し、月額のランニングコストと運用負荷の軽減を実現した。また、経理担当者が行っていた各システムへのログインやCSVの出力、ダウンロード、取り込みといった手作業が不要となり、月初に発生していた作業時間の削減を達成している。