住友電工焼結合金、大型プレス機の予知保全を開始 故障兆候を可視化し突発停止を抑制

2026年7月12日17:36|ニュースCaseHUB.News編集部
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 住友電工焼結合金は、24時間体制で稼働する生産ラインの安定操業に向け、回転機器の予兆検知ソリューション「AssetWatch」を採用した。7月9日、同製品を提供する三井情報が発表した。2026年5月から本格稼働を開始しており、油圧ポンプや駆動モーターの劣化傾向を可視化することで、突発的な故障リスクの低減につなげている。

 自動車のエンジンやトランスミッション向けの高強度・高精度部品を製造する住友電工焼結合金では、数百トンに及ぶ大型油圧粉末成形プレスを多数所有し、24時間体制で稼働させている。主要な故障は油圧ポンプやそれを駆動するモーターに集中しており、大型設備であるため交換作業には約2日を要していた。止めることのできないラインで突発停止が発生すると、補修費の増大や生産計画への深刻な影響を及ぼすリスクがあった。さらに保全担当者が限られるなかで設備の老朽化対応も迫られており、壊れてから直す保全からの脱却が課題となっていた。

 同社は過去に振動センサーを設置したものの、取得したデータを読み解く分析スキルやノウハウが社内に不足していたため、具体的な故障予知に結びつけられない壁に直面していた。従来の定期点検で取得する単発の数値データでは設備劣化のトレンドが把握できず、その時点での異常の有無しか確認できない状態が続いていた。

 このような課題を踏まえ、同社は三井情報が提供するAssetWatchの採用を決めた。選定にあたっては、IoTセンサーによる常時監視だけでなく、AIによる解析と振動分析の専門家によるデータ分析、具体的な保全アドバイスまでを一貫して提供する伴走型の支援体制を評価した。他社製品のようにセンサー単体の提供や解析ソフトが別オプションとなるケースとは異なり、診断支援までがすべて含まれている点が決め手となった。

 実際の運用に先立つトライアルでは、クラウド上のダッシュボードで各設備の振動データをリアルタイムに確認できるようになった。これにより、従来は近づかなければ分からなかった地下ピットなどの設備状態も遠隔から把握可能となった。実際に地下ピットからの異音発生時、これまではモーターとポンプのどちらを交換すべきか判断が困難だったが、振動トレンドから双方の異常を把握し、迅速な交換判断につなげることができた。

 本格稼働に伴い、データに基づく迅速な意思決定が可能となり、現場からは突発故障の回避につながる予兆検知に対して前向きな意見が出ている。三井情報は今後もデータ解析基盤を活用し、製造業を中心に設備保全の効率化と安定運用の支援を進める。

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