テレビ朝日、内製開発の加速に向けクラウドセキュリティ基盤を採用

2026年7月12日16:20|ニュースCaseHUB.News編集部
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 テレビ朝日は、AIを活用したシステムの内製開発におけるセキュリティ確保を目的に、クラウドセキュリティプラットフォーム「Cloudbase」を採用した。7月9日、同サービスを提供するCloudbaseが発表した。少人数の専任者がいない体制でありながら、急速に増大するクラウド環境のリスクをリアルタイムに可視化し、開発スピードを維持したまま客観的な根拠に基づくセキュリティ管理体制を構築した。今後は未使用リソースの整理やコスト最適化、運用の効率化といった領域への活用拡大も目指す。

 テレビ朝日は、東京都港区六本木に本社を置く民間テレビ局で、ANN(オールニッポン・ニュース・ネットワーク)のキー局となる在京キー局の一つだ。同社は長らくシステム開発を外部ベンダーに委託してきたが、AIの活用により開発サイクルを加速することも現実的となり、ビジネス側からも1〜2週間でサービスを形にするスピード感が求められるようになった。そこで、従来の外部委託に頼るだけでなく、自社で素早くサービスを試作できる内製環境の整備に踏み切った。

 こうした方針転換を支えるため、同社は2025年7月に全社横断の専門組織としてAI戦略部を設立し、Google Cloudを基盤とした内製開発体制を本格的に推進している。現場では、新しい試作開発が次々と立ち上がるスクラップ&ビルドの体制を敷いており、年1回のスポット的な脆弱性診断では、急速に変化する環境を追いきれなくなっていた。

 また、少人数で複数のプロジェクトを並行する中で、これまで外部ベンダーが担保していたセキュリティ設定やクラウドリソースの管理、設定ミスや権限管理の不備を手作業で把握することにも限界が見え始めていた。結果として、これまで外部ベンダーに依存していたセキュリティやクラウドリソース管理を、自社の小さなチームでカバーするのが難しくなっていた。

 同社は、小さなソフトウェアが絶えず生まれ変わる開発規模に適したライセンス形態や、Google Cloudの幅広いサービスに対応している点を評価し、Cloudbaseの導入を決めた。日本語のわかりやすいユーザーインターフェースと、初期設定時における技術チームの手厚い伴走サポートも採用の決め手となったとしている。

 導入後は、クラウド環境の設定ミスや脆弱性が常時監視され、自動で検出・通知される仕組みが確立された。専任の担当者を置かない体制ながら、Google Cloudにアクセスするメンバーが定期的に状況を確認し、クリティカルなリスクに担当者をアサインして対応する運用を進めている。これにより、見落としがちなリスクが可視化され、チーム内に「お守りのような安心感」とセキュリティ意識の向上がもたらされた。

 さらに、経営層からセキュリティ状況を問われた際にも、Cloudbaseのダッシュボードを示すことで具体的なリスクと対応状況を客観的な根拠とともに説明できるようになり、組織としての説明責任を果たせるようになった点を価値として挙げている。

 テレビ朝日ビジネスソリューション本部イノベーション戦略局AI戦略部の中村敦氏は、「専門家ではない自分たちが説明責任を果たせる材料を持てることが、非常に大きな価値だと感じている。今後は監視範囲の拡大も含めて、さらに活用の幅を広げていきたい」としている。

ニュースリリース