市原市、自治体標準化に伴うデータ連携基盤を刷新

2026年7月20日16:06|ニュースCaseHUB.News編集部
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 市原市は、国が主導する自治体システム標準化に向けたデータ連携基盤の構築を開始した。連携基盤として、ウイングアーク1stの自治体業務支援ソリューション「Govlong」を採用した。7月16日、ウイングアーク1stが発表した。複数ベンダーが関わるマルチベンダー環境下において、システムごとの仕様の版数差による不整合を解消し、約半年という短期間での構築を達成。複雑化していたデータ連携の集中管理と運用監視レベルの向上を目指す。今回の取り組みにより、従来の複雑に絡み合った個別連携から脱却し、市が主導権を持って管理できる透明性の高いデータ連携基盤を確立した。

 市原市では、デジタル庁が進める地方公共団体情報システムの標準化への対応を迫られていた。同市役所では長年、住民記録や税、国保、生活保護、健康管理などの主要業務システムを導入・更新するたびに個別連携を繰り返しており、システム間を結ぶデータ連携は把握できているだけで100本を超えていた。この複雑に絡み合った連携の維持は職員の属人的な対応に依存しており、標準化という大規模な移行を前に限界を迎えていた。さらに、標準化対象となる約20業務の移行にあたっては、システムごとに適用される標準仕様書の版数、いわゆるバージョンが異なることでデータ連携に不整合が生じる問題が顕在化。各ベンダーへの個別改修依頼や調整にかかる多大なコストと時間が課題となっていた。

 こうした課題を解決するため、同市は自治体特有のデータ連携仕様に対応できるGovlongの採用を決定した。選定にあたっては、汎用的なデータ変換ツールとは異なり、標準仕様書の版数差の吸収や自治体特有のデータ変換ロジックを標準機能として備えているパッケージ製品である点を高く評価した。各業務システムの改修を最小限に抑えつつ柔軟に仕様を統一できることや、将来のデータ利活用に向けた高い拡張性を持つことが決め手となった。

 導入に際しては、自治体システムの運用やガバメントクラウドに精通した大崎コンピュータエンヂニアリングが参画。データ変換ロジックの実装や検証を迅速に進めたことで、依頼から本格稼働まで約半年間で実現し、2026年1月に税関連業務システムなどのカットオーバーとともに本格稼働を迎えた。

 導入の効果として、システム間の連携ロジックを中央のGovlongに集約するハブ・アンド・スポーク型の構成を確立したことで、データ連携における主導権をベンダー各社から市へと移管できた。将来的に業務システムを更新する際も、連携先への影響を抑えて柔軟に対応できるようになった。また、従来はファイルサーバー中心の運用で履歴を一元管理できなかったが、導入後はログやエラーメッセージが可視化され、トラブル発生時の原因切り分けが容易になるなど運用保守性が向上した。

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Govlongで版差を統一するデータ連携

 同市で情報政策課課長としてプロジェクトを統括していた中田直樹氏は、連携基盤がなければベンダーごとの個別調整や追加開発が必要だったと言及する。同市は今回構築した基盤をデータ利活用の心臓部として位置づけており、今後はローコードでのデータ抽出環境の整備や、現場の職員が自然言語で指示を出すだけで必要な情報を得られるAIエージェントの活用も視野に入れている。標準化という制度対応から、将来のデータ利活用を見据えた攻めのデジタルトランスフォーメーションへ向けた土台を築き、市民サービスのさらなる高度化を目指す。

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