固形ルウやレトルト食品を製造するキャニオンスパイスは、内田洋行ITソリューションズの食品業向けERP「スーパーカクテルCore FOODs」を導入した。食品トレーサビリティシステムとの連携により、製造現場の属人化解消と生産効率化を進めている。9月8日、内田洋行ITソリューションズが事例を公開した。手書きや紙ベースのアナログ作業で生じていたミスを減らし、業務の標準化につなげている。
キャニオンスパイスは1979年創業の食品メーカーで、野菜や果物を配合した「こどものためのカレールウ。」などの自社商品のほか、1000種類を超える多品種・小ロット生産のノウハウを強みに受託製造(OEM)も手がけている。
従来は販売管理業務のみパッケージシステムを利用しており、生産管理や製造指示の多くを手作業や紙ベースで運用していた。顧客ごとに原材料の指定や別添品の封入など仕様が多岐にわたるため、製造工程ごとに複雑な指示書を作成する必要があり、配合ミスや添付ミスといったヒューマンエラーが発生しやすい環境だった。
現場の負担軽減とデータ活用の推進を目指し、複数の製品を比較した結果、スーパーカクテルCore FOODsの採用を決めた。パッケージの基本となる標準機能の完成度が高く、CSV出力や画面の操作性に優れている点を評価した。製造と梱包の工程ごとに異なる作業指示書を出力できるよう改修を施し、運用の定着を図った。
さらに2021年の第二工場稼働に合わせて食品トレーサビリティシステム「Trace eye FOOD-Pro」を導入し、スーパーカクテルCore FOODsと連携させた。原材料の入荷から製造、出荷までを現物ベースで管理し、製造指示の確認や作業結果の入力をシステム上で完結できる体制を整備した。作業が標準化されたことで経験の浅い従業員でも対応が可能になり、管理職による細かな現場フォローが不要になるなど属人化が解消された。
また、製造現場に大型モニターを設置してスケジュールを可視化した。工程の進捗状況をリアルタイムで共有し、定期的なミーティングを通じて作業の効率的な割り振りや前倒しが進んでいる。来社した顧客に対しても整った生産管理体制を示すことができ、商談時の信頼獲得につながっている。
今後は、受注業務や金属探知機の記録など一部に残る紙ベース業務の電子化を進める計画だ。最新の仕入価格や販売価格、OEM生産に伴うロイヤリティなどを反映し、自動で適正原価を算出する仕組みの構築を進め、データに基づく経営判断を強化していく。