ローソンエンタテインメントは、トドケールの郵便物・配達物クラウド管理システム「トドケール」を採用した。9月24日、トドケールが発表した。フリーアドレス導入に伴い顕在化したメール室業務の属人化や通知・確認作業の負担を解消したという。蓄積した荷物データを活用し、将来的にはメール室スペースの最適化などオフィス環境の改善につなげたい考えだ。
ローソンエンタテインメントは、チケット販売の「ローソンチケット」や店舗・ECで展開する「HMV」など、エンターテインメントに関する多様な事業を手掛けている。同社では2023年にオフィスのフリーアドレスを導入した。これに伴い、従来のようにメール室の担当者が受取人の座席まで直接荷物を届ける運用が困難になり、配送物管理の見直しが急務となっていた。
当初はトドケールの採用を検討したものの、社内のノーコードツールを用いて自動通知の仕組みを内製できたことや、費用対効果の算出が難しかったことから採用を一度見送っていた。しかし、内製ツールによる運用では個人宛の荷物のみが自動通知の対象となり、部署宛や会社宛の荷物は担当者が手作業でメールを作成して通知する二重管理が発生していた。また、出社人数の増加に伴って荷物量が増え、手作業での通知は宅配便や特殊郵便を合わせて1日30件から40件に達する日もあった。荷物の問い合わせが入るたびに紙の伝票の控えを大量に確認する必要があり、対応手順の複雑化によって業務の属人化が再び進む懸念が生じていた。
こうした課題を解消するため、同社は2026年初めに展示会で機能が刷新されていたトドケールを再検討した。採用にあたっては、単なる作業時間の削減にとどまらず、総務部門が扱う受取状況や荷物量などの記録をデータ資産として蓄積し、今後の運用改善に活かすという投資の視点を持てたことが社内合意の後押しとなった。展示会での再確認から約1カ月という短期間で本番稼働を開始した。
トドケールの導入により、専用ドメインからの自動通知によって配送連絡の行き違いが解消された。伝票のお問い合わせ番号や受取人の宛名によるシステム検索が可能になったことで、過去の配送状況を確認する作業時間が短縮した。さらに、リマインド機能により、受領サインが未完了の荷物を効率的にフォローできるようになった。写真添付機能の活用で、複数口の荷物や類似した氏名の受取人に対する誤配送や取り違えを未然に防止している。受取時の対面サインを通じて従業員とメール室担当者とのコミュニケーションも活性化した。導入後の約2カ月間、メール室メンバーは日々のミーティングを通じて荷物の配置や運用を改善した。こうした新運用の設計・定着に向けた取り組みも評価され、メール室の担当メンバー3名は社内表彰を受けた。
ローソンエンタテインメント コーポレートサービス グループ総務本部副本部長兼総務部部長の長谷川大晃氏は、「総務業界の有識者の話を聞く中で、総務の情報こそデータ化すべき資産だという考え方に触れた。目の前の作業時間を削減するという視点だけでなく、記録が蓄積されていくこと自体に価値があると捉え直せるようになったことが大きな転換点になった。費用対効果を作業時間の削減だけで見るのではなく、荷物量や受取状況などの記録を蓄積し、今後の運用改善に活かすための投資として捉えると判断しやすくなる」としている。
今後は、トドケールに蓄積された荷物の受取・保管データを分析し、荷物の流れを可視化する方針だ。荷物情報のデータ化から運用プロセスの見直しへと取り組みを発展させ、検証結果を踏まえ、メール室スペースの最適化や執務エリア・会議スペースの有効活用を通じて、オフィス全体のDXにつなげる方針だ。