ヤンマーホールディングスは、グローバルサプライチェーンマネジメント(SCM)の最適化に向け、データ管理基盤「Quollio Data Intelligence Cloud」を採用した。7月24日、Quollio Technologiesが発表した。グループ横断でデータの定義を統一し、意思決定の高度化や将来的なAI活用を見据えたデータ管理体制の構築を進める。
ヤンマーホールディングスは、2030年度までの中期経営計画「MTP2030」のもと、既存事業の成長や新規事業の創出に向けた変革を推進している。重要施策として、国や事業をまたいで複雑化するグローバルサプライチェーンにおける資産効率の最適化を掲げ、正確な在庫状況の把握と運転資金の最適化を目指していた。
しかし、同社は事業ごとに最適なシステム導入を認める方針をとっており、基幹システムが統一されていない。システム間でデータ形式が異なり、現場ではExcelを用いた手作業でのデータ突合が発生するなど、データの抜け漏れや意思決定への影響が課題となっていた。将来的にAIがデータ基盤を横断して分析する環境を見据え、AIが正確に解釈できるデータ管理環境の構築に向けてデータカタログの選定を進めた。
選定にあたっては、国産ベンダーとしての迅速なコミュニケーションや直感的な操作性に加え、事前予測が可能な明確な価格体系を評価した。外部システムと連携しやすいAPIの充実や、専門知識に基づく伴走支援体制も決め手となった。
導入にあたっては、定例ミーティングを通じて具体的な整備手順などの提案を受けながら作業を実施。製造拠点や販売会社など複数の基幹システムから収集したデータに対し、実績計上タイミングや在庫区分などの定義をメタデータとして明文化・公開した。これにより、事業部レベルでの生産・販売・在庫(PSI)分析において、必要な情報へ短時間で到達できる環境を整えた。
現在は1事業部で先行しているPSI分析を、新設したグローバルSCM専門部門と連携して全事業へ展開する計画だ。製品別の連結損益把握やグローバルでの人的資本の可視化など経営判断に関わる領域へ活用範囲を広げ、ダッシュボードの自動生成やAIエージェントの活用を通じたSCM改革を進める。
ヤンマーホールディングスで常務取締役を務め、経営戦略、技術、DXを担当する奥山博史氏は、「人間がBIツールで分析するだけでなく、AIが統合的にデータ基盤を横断して必要なデータを取ってきてインサイトを出してくる時代が必ず来る。その時、AIが正しく理解できるデータ基盤になっていなければならない。今回の採用は、その実現に向けた大きな一歩だと考えている」とコメントしている。