ドイツの建材・家具部品メーカーREHAU Industries SE&Co.KGが、AIを活用した品質管理システムを導入し、部品製造工程における品質異常の検出精度を99%以上に向上させた。4月9日、富士通が発表した。
アッパー・フランコニアのレーハウ市に拠点を置くREHAU Industriesは、世界をリードするポリマー素材メーカーとして、建設技術や窓、内装、エッジバンドなどの分野で革新的な製品を提供している。同社は2万種類以上の多様なエッジバンドを世界中の複数工場で生産しているが、これまでは作業者による目視確認に頼っており、全工程の確認が困難であった。
この課題を解決するため、富士通の品質管理システムを試験的に導入。システムは完成したエッジバンドの画像を学習したAIモデルを用いて自動でエラーを検出し、常時監視とログ記録により品質エラーの原因分析を可能にした。これにより、潜在的な欠陥や異常の予測、エラー未検出の再発防止が実現した。
REHAU Industries側は、「富士通とのコラボレーションを通じて、迅速な実証実験の開始とソリューション指向のアプローチにおける高度な専門性に強く関心を持った。このシステムにより、製造工程の無駄を削減し、効率化と高品質な製品提供を実現できる」と評価している。
今後、REHAU Industriesは本システムを本番環境へ移行し、さらなるユースケースの検討を進める予定だ。この取り組みにより、コスト削減と持続可能な生産の実現が期待される。
富士通は4月22日から26日にドイツで開催されるハノーバーメッセ2024において、本事例を含む製造業向けのスマート検査ソリューションや支援技術を紹介する予定だ。