トビラシステムズは、特殊詐欺やフィッシング詐欺対策サービスにおける法人向け問い合わせ対応の管理体制を強化するため、インゲージが提供するコミュニケーションプラットフォーム「Re:lation」を採用した。2026年2月2日、インゲージが発表した。対応状況の可視化とアラート機能の活用により、対応漏れの解消と1時間以内の迅速な返信を実現した。今後はFAQの運用改善による顧客の自己解決促進や、全社的なガバナンス強化を推進する。
トビラシステムズは、迷惑情報フィルタサービスで月間約1500万人の利用者を抱える防犯テクノロジー企業だ。同社のCS課では、高度な専門知識が必要な法人向けサービスの問い合わせ対応において、汎用メールソフトと共有アドレスを用いた管理を行っていた。しかし、組織の拡大に伴い、誰がどの案件に対応しているかが判別できない「対応のブラックボックス化」が課題となっていた。進捗確認のために社内チャットでの確認作業が頻発し、二重の工数が発生していたほか、重要な問い合わせの取りこぼしを招くリスクも懸念されていた。
こうした課題を解決するため、同社は複数のツールを比較検討し、Re:lationの採用を決めた。選定にあたり、メール返信1時間以内という社内ルールを遵守するための「アラート機能」を評価した。45分が経過すると警告が表示されるなどの詳細な設定が可能な点が、KPI達成に不可欠だと判断した。また、返信待ち案件が一定時間経過後に自動で「未対応」ステータスに戻る機能や、教育コストを抑えられる直感的な操作性も採用の決め手となった。
導入後は、案件の可視化により管理の不透明さが解消された。優先順位がひと目で判断できる環境が整ったことで、問い合わせの取りこぼしはゼロになった。さらに、対応データの可視化によってオペレーターの返信時間や処理件数が把握可能になり、管理者が現場の負荷を正確に管理できるようになっている。CS課での成果を受け、現在は営業支援課など他部署への横展開も進んでいる。
あわせて、同社は「Re:lation FAQ」も導入し、FAQサイトの運用を開始した。現場のオペレーターが主体となって記事を作成する体制を構築したことで、導入後わずか数カ月で150件を超える記事を公開。メール回答時にFAQのリンクを案内する運用を定着させた結果、電話問い合わせ件数の削減に成功した。
トビラシステムズ営業企画部CS課長の近藤高行氏は、「導入前はカオスな状態だったが、Re:lationの導入で案件が可視化され、1時間以内の返信と取りこぼしゼロを仕組み化できた。現場が自発的にFAQを改善するサイクルが生まれたことも大きな成果だ」と話している。
今後は、蓄積された顧客の声を分析し、プロダクト改善やマーケティング施策へフィードバックすることで、サービス全体の価値向上を目指す。また、AI活用やシステム連携による自動化を推進し、顧客が自己解決できる環境を突き詰めることで、より本質的なカスタマーサクセスの提供に注力する。