サントリープロダクツ、RFID活用で設備予備品の棚卸工数を95%削減

2026年9月8日09:00|ニュースCaseHUB.News編集部
x
hatebu

 サントリープロダクツは、工場の設備予備品管理の効率化に向け、サトーのRFID資産管理ソリューション「ASETRA」を採用した。9月7日、サトーが発表した。天然水北アルプス信濃の森工場では、約2万4000点に及ぶ設備予備品の棚卸作業工数を95%以上削減した。今後は他工場への水平展開や発注システムとの連携を進め、サプライチェーン全体の最適化を目指す。

 サントリープロダクツは、「サントリー天然水」や「BOSS」、「伊右衛門」をはじめとする飲料の製造を担うサントリーグループの中核企業だ。全国に10の生産拠点を持ち、安全で高品質な製品の安定供給に取り組んでいる。同社ではスマートファクトリーの推進を進めるなかで、工場設備の維持・保全に欠かせない設備予備品の管理手法に課題を抱えていた。

 従来、設備予備品の管理は目視や手作業によるデータ登録が中心だった。対象となる部品点数は工場ごとに膨大で、天然水北アルプス信濃の森工場では約2万4000点に達していた。これらを手作業で棚卸しするには、20名体制で合計約57時間もの稼働を要していた。また、手入力に伴う入力ミスや実在庫とシステム上の在庫データの乖離が生じること、部品の保管場所や在庫状況の把握が特定の担当者に依存し属人化していたことも課題となっていた。

 こうした状況を解消するため、サントリープロダクツとサントリーホールディングスのデジタル&AI本部は、RFID技術を用いた資産管理基盤の整備に着手。既存の設備保全管理システムと柔軟に連携でき、バーコードや二次元コードとの併用も可能なサトーのASETRAを採用した。

 選定にあたっては、ハンディリーダーによる一括読み取りで入出庫や棚卸しの記録を自動化できる機能性に加え、サトーが持つ現場運用への支援体制を高く評価した。RFIDタグは金属や液体の影響を受けやすい特性があるが、サトーは予備品の形状や材質に応じたラベルの貼り付け位置、保管棚での配置方法に至るまで、現場に即した詳細な運用設計を支援した。

 天然水北アルプス信濃の森工場での本格運用開始後、棚卸業務は劇的に効率化された。これまで20名体制で約57時間かかっていた棚卸作業は、1名体制かつ約2時間で完了するようになり、工数を95%以上削減した。また、作業員が専用リーダーをかざすだけで一括してデータを取得できるため、手入力に起因するミスが根絶され、帳簿在庫と実在庫の乖離はごくわずかになった。

 リアルタイムに在庫状況が可視化されたことで、余剰在庫の保有を抑えた適正な購入サイクルが確立しつつある。さらに、専用リーダーの操作が極めてシンプルであるため、現場の担当者を問わず即座に業務を習得でき、業務の属人化も解消された。保管棚のレイアウト整理も同時に行われたことで、誰でも迅速に必要な部品を取り出せる環境が整った。

 サントリーホールディングス デジタル&AI本部 課長代理の渋谷毅氏は、「デジタル&AI本部では工場とともにスマートファクトリーを推進している。目視や手作業による登録が中心だった予備品管理の課題を整理し、RFID技術に着目した。サトーからはラベルの貼り方や保管時の置き方に至るまで現場に即した詳細な助言を受け、安心して進めることができた。予備品在庫の正確な把握によって工場間での相互利用が円滑になり、適切な在庫数管理につながっている。今後はこの成果を他工場へ展開するほか、各工場の資産管理、発注システムとの連携によるさらなる精度向上を期待している」とコメントしている。

 サントリープロダクツは今後、天然水北アルプス信濃の森工場での成果をもとに、全国の他工場へのASETRAの展開を進める。各工場の予備品在庫を相互融通できる体制を強化するとともに、購買システムや発注管理との連携を深め、グループ全体での生産保全業務の高度化を図る。

ニュースリリース