中部電力グループの東海コンクリート工業は7月4日、岐阜県美濃加茂市に新設した電柱製造工場の全工程に、NTTコミュニケーションズのIoTプラットフォーム「Things Cloud」とRFIDを活用した生産管理業務可視化システムを導入すると発表した。NTTコミュニケーションズがシステム構築も支援する。人手不足や技術継承といった課題に対応し、業務の効率化と高度化を目指す。
中部電力グループは人手不足や技術継承などの社会課題に対応するため、デジタル技術を活用したスマートファクトリー化などを推進している。東海コンクリート工業の工場では従来、作業員や検査員が紙の帳票や工程表に手書きで生産管理のための情報を記載していたため、管理者はリアルタイムで進捗を把握できず、出荷後の製品問い合わせ対応にも時間がかかっていた。
新工場では、製品(電柱)に取り付けたRFIDタグから読み取ったデータや生産設備の自動制御装置(PLC、Programmable Logic Controller)のデータを取得し、Things Cloudに蓄積。管理画面から一元的に可視化するという。生産情報のトレーサビリティを確保しつつ、生産工程をリアルタイムで把握する。
これにより、従来、手入力や手書きで作成されていた帳票や工程表のまとめ作業に要する時間を削減したり、検査工程から製造への検査結果のフィードバックを迅速にすることで不適合品の発生を防止したり、生産管理業務の作業効率化と品質管理の向上を見込む。
東海コンクリート工業は今後、生産の各工程でデータを取得・蓄積し、工程間のデータ連携を進めることで、さらなる作業効率化や生産計画の最適化、品質向上を図る。将来的にはロボットやAIなどの活用も視野に入れ、スマートファクトリー化を推進していく方針だ。
ニュースリリースURL
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