丸紅系の米国法人、基幹システムに「RISE with SAP」を採用、柔軟性向上へ

2024年9月9日08:05|ニュースリリース公開日 2023年10月17日|ニュースCaseHUB.News編集部
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 Marubeni-Itochu Steel Americaは、基幹システム基盤として、SAPのクラウドERP「SAP S/4HANA Cloud」を中核とするクラウドオファリング「RISE with SAP」を導入した。2023年10月17日、丸紅ITソリューションズとSAPジャパンが発表した。

 Marubeni-Itochu Steel Americaは、柔軟性の高い独自の基幹システムの構築を目指し、従来のSAP ERPシステムの刷新を検討していた。次期基幹システムの選定にあたり、デジタル時代への追従能力、運用効率レベルの維持、メンテナンスの柔軟性と拡張汎用性、シンプルなプロセスとシステム、の4つのコンセプトを軸に検討を進めた。

 丸紅ITソリューションズは、これらの要件を満たすコアシステムとして「SAP S/4HANA Cloud, private edition」を中核とするRISE with SAPを提案した。ユーザー負荷を抑えながら既存アドオン資産の移行が可能である点、将来的にSAPの各種ソリューションを活用したDX推進基盤として活用できる点を評価し、採用に至った。丸紅ITソリューションズは、商社業務の知見とSAP S/4HANA Cloud導入ノウハウを活かし、テクニカルコンバージョン方式によるRISE with SAPへの移行と、その後の近代化開発を見据えた提案を行った。

 旧システムのオンプレミスサーバ上には、SAP ERPシステム以外のジョブ、データインターフェース、帳票、監視などの周辺ソリューションも構築されていた。しかし、S/4HANA Cloudでは、SAPが運用するSAP Cloudサーバ上にSAP以外のソリューションを構築できないため、周辺ソリューションとの連携を含めたシステム構成の検討が必要となった。この課題に対し、丸紅ITソリューションズは、周辺ソリューション専用のAWSサーバを構築し、S/4HANA Cloudと連携させた新システムを構築することで対応した。

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SAP S/4HANA Cloud利用イメージ

 移行リハーサル段階では、当初想定以上の移行ダウンタイムが必要になる問題が発生した。これに対しては、システム上で可能な限りのダウンタイム短縮策を講じるとともに、Marubeni-Itochu Steel Americaの協力のもと、移行時期を変更することで、営業日のシステム停止の影響を最小限に抑える対策をとった。本番移行は、複数回の移行リハーサルを通じ課題を事前に解消した上で実施された。その結果、想定外の事象は発生せず、2023年5月に計画通り新システムの稼働を開始した。

ニュースリリースURL
https://www.marubeni.com/jp/news/2023/group/00056.html