大阪広域水道企業団は、ノーコード対応のRPAツール「ロボオペレータ」を導入した。8月5日、システムの導入・伴走支援を手掛けたパナソニック デジタルが発表した。水道事業の統合に伴い急増していた検査業務の自動化により、月間288時間相当の業務削減効果を確認したという。繁忙期の負荷軽減やコア業務への注力につなげる。
大阪広域水道企業団は2010年、大阪市を除く府内42市町村が共同で設立した特別地方公共団体だ。水道水を供給する用水供給事業と工業用水事業を担い、府内の各市町村水道事業を段階的に統合する「府域一水道」の実現に向けた事業拡大を進めている。
同企業団の広域事業部技術管理課では、浄水場や管路の大規模工事を対象とした検査記録をExcelで台帳管理していた。水道事業の統合推進に伴って工事件数が増加し、検査関係事務の処理量が急増。工事が集中する1月から3月の繁忙期には、月間300~400件の処理が発生していた。毎日1~2名の職員が検査台帳の入力や検査関係書類のPDF化、決裁システムへのアップロードといった定型作業に時間を取られ、残業が常態化するなど従来の対応手法では限界を迎えていた。
こうした課題の解決に向け、同企業団は定型業務の自動化に向けた検討を開始した。特定の担当者に依存しない運用を行うため「誰でも直感的に開発・管理できる操作性」を追求。データに関するセキュリティポリシーを遵守するためオンプレミス環境で稼働できること、ITの専門知識がない現場担当者でも運用を開始できるよう伴走支援などのサポート体制が充実している点を評価し、ロボオペレータの採用を決めた。
2025年7月からのトライアルでは、パナソニック デジタルが提供するシートを用いて人手による作業を言語化・分類し、自動化できる業務範囲を可視化。現場の担当者自身が業務シナリオおよびロボットを作成した。メールによるサポートエンジニアの迅速な助言を受けながら主要シナリオの開発を完了させ、同年11月から本番稼働を開始した。
本番稼働後は、4種類の業務シナリオを運用している。RPAの活用により月間288時間相当の業務削減効果を実証し、繁忙期における定型作業の負荷を軽減した。削減された時間により、職員が本来担うべきコア業務に集中できる環境も整った。
同課の担当者は「ITに関する専門知識がない状態からスタートしたが、直感的な操作性と手厚いサポート体制のおかげで、現場主導でのシナリオ開発と業務効率化を実現できた。削減できた時間を活用し、本来取り組むべきコア業務への注力を進めたい」と話す。
今後は、2026年度の繁忙期に向けたExcel台帳の改善とシナリオの精度向上を進め、さらなる完全自動化を目指す。また、浄水場や各事業所といった他部署への横展開も視野に入れ、組織全体の業務効率化を推進していく。