三洋化成工業は、ERP「SAP S/4HANA」のフロントシステムとしてNTTデータ イントラマートのシステム共通基盤「intra-mart」を採用した。2024年4月9日、NTTデータ イントラマートが発表した。
三洋化成工業は界面活性剤や機能化学品をグローバルで製造・販売する化学メーカー。23年5月に発表した「新中期経営計画2025」で、サプライチェーン全体の業務プロセス改革とDXに取り組んでいる。21年に基幹システムの刷新に着手し、SAP S/4HANAへの移行を進め、並行してワークフローシステムや業務システムのプラットフォームの再整備を検討した。
従来のワークフローシステムは複数の開発基盤で申請内容ごとに異なるシステムが乱立し、利用者の利便性と情報システム部門の保守性が課題になっていたという。製品選定では、新たな基幹システムであるSAP S/4HANAと柔軟に連携でき、複雑な業務フローの実装が可能である点を評価し、intra-martの導入を決めた。ローコード開発とスクラッチ開発の両方に対応し、ニーズに合わせて素イーディーな開発ができる業務システム基盤としての機能を備えていることや、豊富な導入実績がある点も採用を後押ししたという。
導入効果としては、ワークフローシステムの統合によるユーザーの利便性向上と保守性の向上、ローコード開発によるシステムの部品化で改修時の影響範囲の把握が容易になったこと、運用・保守業務の標準化による属人性の排除などを挙げている。導入・開発はNTTデータ関西が支援した。
三洋化成工業は今後、物流管理システムや、旧世代の開発基盤で構築・運用する他の業務システムも段階的にintra-martに移行する方針だ。