アルフレッサ、Salesforceでワクチン供給最適化 医療機関と接種希望者の利便性を向上

2024年9月9日09:00|ニュースリリース公開日 2024年9月2日|ニュースCaseHUB.News編集部
x
hatebu

 医薬品卸売のアルフレッサは、ワクチン供給を最適化するデジタルプラットフォームの構築を目的として複数のセールスフォース(Salesforce)製品を採用した。9月2日、アルフレッサとセールスフォース・ジャパンが発表した。効率的なワクチン管理と予約管理を実現し、医療機関と接種希望者双方の利便性向上を図る。

 2024年4月から、新型コロナワクチンの接種は、65歳以上の人と60~64歳で重症化リスクの高い人を対象とした定期接種に変わった。これに伴い、ワクチンの供給不足や在庫管理の不透明さ、予約システムの非効率性といった課題が改めて顕在化している。医療機関はワクチンの煩雑な在庫管理や接種予約の管理に多くの時間と労力を費やしている一方、接種希望者は予約が取りにくいという問題に直面しているという。

 これらの課題に対応するため、アルフレッサはSalesforce製品群を活用してワクチン供給最適化プラットフォームを構築した。具体的には、ヘルスケア業界向けCRMソリューション「Health Cloud」や顧客エンゲージメントプラットフォームの「Customer Community(Experience Cloud)」、マーケティングオートメーションツール「Marketing Automation Account Engagement」といった製品を導入し、医療機関別の接種予約システム、エリア別の需要管理システム、接種後のアンケート機能などを実装している。在庫数に応じた予約枠の自動設定が可能になり、効率的なワクチン接種管理を実現するという。

 導入プロジェクトではセールスフォースのコンサルティングサービス「Salesforce Professional Service」も採用。セールスフォースのソリューションアーキテクトとテクニカルアーキテクトが、業務プロセスやシステム要求仕様の定義、難易度の高い要件の実現方法の策定、将来的な拡張性やメンテナンス性を考慮した設計などを支援し、「高品質・短納期のシステム稼働を実現した」としている。

 このプラットフォームにより、医療機関はワクチンごとの管理ページ作成や接種実績の登録が、接種希望者はマイページでの個人情報登録や接種履歴の確認、予約が可能になるといい、双方の利便性向上を見込んでいる。また、製薬企業は自社ワクチンの予約状況や接種後のアンケート結果を含む接種情報を医療機関ごとに把握できるようになる。

 アルフレッサ ソリューション&イノベーション事業部長の久保良太氏は、「ワクチン供給最適化プラットフォームの構築は、今後推進される地域医療分野でも重要な取り組みになる」と述べている。

ニュースリリース