琉球銀行は、セールスフォース(Salesforce)の金融機関向けCRM「Salesforce Financial Services Cloud」を導入する。9月6日、セールスフォース・ジャパンが発表した。2023年5月にスタートした新中期経営計画「Value 2023」の基本戦略の一つである顧客接点の改革に向けた取り組みの一環で、データドリブンな営業への転換により提案力の強化を図る。新システムは2025年度上期中に稼働予定。
Financial Services Cloudは、通常のCRMとしての機能に加えて、顧客情報を個人だけでなく世帯単位でまとめて管理できるほか、顧客の資産運用上の目標を設定して進捗を管理することも可能。顧客が個人であれば重要なライフイベント、法人であればビジネス上の節目などを管理し、AIによる分析も活用して最適な金融商品の提案を支援する機能も備えているという。
同製品の選定にあたっては、こうした情報管理の仕組みやAIなどを使った分析機能を評価。また将来的な内製化を視野に入れており、「柔軟性や拡張性の高いアプリケーション開発基盤を備えている」ことなども採用を後押ししたとしている。
琉球銀行は同製品を活用して、営業活動を顧客ごとに最適化したい考えだ。また、入力項目の集約やモバイルの活用、集計の自動化などにより事務作業を効率化し、顧客と向き合う時間を創出するという。将来的には、グループ会社との連携を促進し、組織の枠を超えた提案機会の最大化を図る。
導入プロジェクトでは、セールスフォースのコンサルティングサービス「Salesforce Professional Service」を活用。難易度が高い要件の実現や、将来的な拡張性・メンテナンス性を考慮した設計に寄与したという。