ビッグローブは販売管理システム刷新のため、セールスフォース・ジャパンが提供する通信業界向けソリューション「Salesforce Communications Cloud」を導入する。10月30日、セールスフォース・ジャパンが発表した。国内企業でCommunications Cloudが導入されるのは初となる。
ビッグローブは、インターネット等のネットワークを利用した情報サービス提供および付帯・関連業務を事業とする企業だ。35年間の長きにわたり販売管理領域のシステムを使用してきたことで、システムの複雑化・老朽化が進み、柔軟性、拡張性、スケーラビリティが不足し、ビジネスニーズへの迅速な対応が困難な状態だった。
ビッグローブは、販売管理システムのアーキテクチャの抜本的な見直しとデータの一元管理に着手。市場変化へ即座に対応するため、グローバルで通信業界のスタンダードに則ったデータモデルを有するSalesforce Communications Cloudの導入を決めた。
採用に当たり、既に利用しているSalesforce Service Cloudをはじめ、Salesforce Marketing Cloud、Lightning Platform、CRM Analyticsなど、他のSalesforce製品との連携や接続性の高さを評価した。
導入プロジェクトでは、Salesforce Professional Serviceのアドバイザリー支援を受け、難易度の高い要件の実現方法の策定や将来的な拡張や保守運用を考慮した設計の支援を受けた。システム構築は、京セラコミュニケーションシステムが担当した。
Communications Cloud導入で、ビッグローブは業務・システムの集約で商品企画からサービスインまでの期間短縮が可能となる。また、Salesforce製品が提供するバージョンアップによる拡張性により、顧客体験の価値をさらに向上できる。具体的には、Communications Cloudへのシステム集約により商品情報と顧客の契約情報が統合され、商品企画からサービスインまでの速度が速まり、その情報から顧客にとってより良い特典やオプション商品の提供が可能になることで、顧客への応対スピードの迅速化と提供サービスの向上が見込まれる。
また、Salesforce Service CloudやMarketing Cloudなど既存のリソースとの統合や連携により、カスタマージャーニーを強化できる。さらに、「成長する基盤」として、通信ビジネスに必要なグローバルで標準的な機能がSalesforceの年3回のバージョンアップにより高頻度で更新される。
ビッグローブはこれらの取り組みを通じ顧客体験の向上を実現し、2026年度までに商品企画からサービスインまでの時間を50%削減、サービス提供に関わる保守運用などの費用を約50%削減する計画だ。ビッグローブ代表取締役社長の山田靖久氏は、「グローバルで実績があり、通信業界スタンダードな機能を網羅するSalesforceの業種別ソリューションの導入により、ビッグローブの販売管理システムは刷新され様々なビジネス成果を実現できるようになる。また、SalesforceのAI製品やData Cloudとの連携によるお客様対応のオペレータ業務やサービス提供のさらなる迅速化や高度化に取り組む」と述べている。