慶應義塾大学は、教職員向け「教育支援システム」と学生向けポータルサイトを刷新し、新システム「K-Support」を構築した。2024年11月19日、開発を支援したフレクトが発表した。Salesforceが提供する教育機関向けデータアーキテクチャ「Salesforce Education Data Architecture(EDA)」を活用し、柔軟性・拡張性の高いシステムを実現、業務効率化とシステム内製化の基盤作りを進めている。
慶應義塾大学は、小学校から大学・大学院まで擁する総合学塾である。長年運用してきた教育支援システムや学生向けポータルサイトは、複数のキャンパスや学部・研究科の要件に対応するため、仕様が複雑化していた。そこで、システム刷新にあたっては、柔軟性と拡張性を備えたシステムの構築を目指した。
フレクトの支援のもと、Salesforce EDAを採用しK-Supportを開発した。EDAは教育機関特有のデータモデルを標準機能として備えており、円滑なシステム構築が可能となる。
新システム開発においてフレクトは、三つの点に注力した。複数のキャンパスや学部・研究科に対応できる柔軟なシステム設計であること。フレクトは慶應義塾大学と共同で要件定義を行い、EDAの機能を最大限に活用することで、要件変更にも柔軟に対応できるシステム設計を実現した。
2点目は、Salesforce EDAの標準機能を駆使したローコード開発であること。標準機能にこだわったことで、仕様変更を容易にし、運用コストの削減を実現した。慶應義塾大学独自の業務や組織構造などは、カスタムオブジェクトを用いて実装することで、高い品質と俊敏性を両立させた。
3点目は、慶應義塾大学と共同で受け入れテストを実施したことだ。十分な期間を確保し品質を向上させながらリリースを実現した。共同テストを通して、開発したシステムへの理解を深め、スムーズな運用開始に繋げた。
K-Supportは、試験形態入力や採点入力から導入を開始し、その後、シラバス入力、出講希望入力、学生ポータルなど、段階的に機能を拡充した。学生ポータルサイトは、Experience Cloudで開発することで、EDA基盤とのシームレスな連携を実現している。