富士通、顧客体験向上のためSalesforceの生成AIをコンタクトセンターに導入

2024年9月9日08:30|ニュースリリース公開日 2024年3月19日|ニュースCaseHUB.News編集部
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 富士通は、コンタクトセンターの効率化と高度化による顧客体験向上のため、Salesforceの顧客サービス向け生成AI「Einstein for Service」の採用を決めた。2024年3月19日、セールスフォース・ジャパンが発表した。

 富士通のグローバルビジネスアプリケーション事業本部では、顧客窓口の一つであるSalesforceサポートデスクにて顧客体験のさらなる向上を目指している。その取り組みの一環として、富士通は2023年8月より、Einstein for Serviceが先行リリースされていた北米インスタンスで環境を準備。富士通およびFujitsu North America, Inc.にて、日本の同サポートデスクでの運用を想定した機能検証を行った。

 検証では、Einstein for Serviceの「サービス返信」と「会話サマリー」の二つの機能の効果を検証した。サービス返信は、顧客からのチャットでの問い合わせに関する返信内容の推奨案をデータやナレッジベースに基づきAIが自動生成する機能。会話サマリーは、カスタマーサービスにおけるオペレーターと顧客の会話内容の要約をAIが生成する機能である。

 検証の結果、サービス返信によりサポートデスクのオペレーターの平均処理時間は89%削減、会話サマリーにより平均後処理時間は86%の削減効果が得られた。これらを踏まえ、富士通は日本語環境での実証実験にも取り組んでいる。2023年12月にSalesforce Service Cloudの生成AI機能の採用を決定し、日本語環境での検証を開始。本格運用は2024年度前半を計画している。

 富士通では、コンタクトセンターでの生成AI活用に向けた運用のポイントを整理している。過去の質問や回答をナレッジとして残し、それらを顧客からの問い合わせ返信内容の推奨案として生成する際にグラウンディングとして活用することや、チャット対応するオペレーターが一問一答に誘導し、AIが正しい回答を生成しやすくすることなどを挙げる。また、会話内容の要約生成に関しては、内容が正しいかどうかを人の目で必ずチェックし修正、加筆するなど、継続的な精度の向上も図る。

 富士通のグローバルビジネスアプリケーション事業本部 本部長の桐生卓氏は、「Salesforceサポートデスクではいち早くEinstein for Serviceの実証実験をし、生産性向上に大きなメリットがあることを確認できました。顧客体験の向上に前進できることを大変嬉しく思います。Salesforceのパートナーとして、自社実践で得られたノウハウと運用ナレッジをもとに、Einstein for Serviceの活用やコンタクトセンターコンサルティングを始めとしたソリューションの提供・支援をしてまいります」と述べている。 

ニュースリリースURL
https://www.salesforce.com/jp/news/press-releases/2024/03/19/240319/