明電舎は、部門間に分散していた顧客や取引先との接点情報を集約するため、ビジネスデータベース「Sansan」を採用した。4月16日、Sansanが発表した。全社共通のデータ基盤を構築したことで、情報収集にかかる時間を最大40%短縮するなど、営業生産性の向上と組織的な営業アプローチを可能にしている。
明電舎は電力、水処理、鉄道などの社会インフラを支える重電メーカーだ。同社は設備の販売だけでなく、長期的な保守やメンテナンスも提供しているため、営業や設計、製造、保守といった各部門間での円滑な情報連携が不可欠となっていた。しかし、部門ごとに異なるシステムを利用していたことから、情報の分断が発生していた。電話やメール、会議による確認作業が頻発し、業務効率の低下が課題となっていた。
こうした課題を解消するため、同社は2021年より全社横断のプロジェクト「MEIDEN業務改革活動」を開始した。サプライチェーン全体の最適化とデータの一元化を目指し、プロジェクト管理システム「プロすけ」を自社開発。さらに、人とのつながりを可視化し、データを起点とした営業活動を推進するため、Sansanを導入した。Sansanとプロすけを連携させることで、顧客接点データを全社で活用できる体制を整えた。
導入後の成果として、40万枚以上の名刺データと数千件の商談履歴を集約し、顧客接点を全社で可視化した。従来は個別に行っていた情報連携が効率化され、顧客情報や商談履歴の収集にかかる時間は平均30%から40%短縮された。また、担当者の引き継ぎ時の調査時間も約3分の2に抑えられるなど、社内の情報共有にかかる負荷が軽減されている。
営業面では、社員が持つ人脈情報の可視化により、組織的なアプローチが可能になった。これまで把握できていなかった社内外のつながりを活用し、他部署からの紹介や、同一企業内の別部門への提案など、グループをまたいだ営業活動が活発化している。これが新たな商談機会の創出にも寄与している。
明電舎理事でDX推進本部副本部長兼業務改革推進部長を務める進藤勝昭氏は、以前は部門や工程ごとにシステムが分断されており、必要な情報を探すのに時間がかかり生産性に課題があったと振り返る。現在は、Sansanにより個人や部門で管理されていた情報が全社で共有可能になり、営業活動の見える化とデータ利活用が大きく向上したと評価する。今後は生成AI技術の進化も見据え、蓄積されたデータから新たな価値を創出することを目指し、取り組みをさらに発展させていく。