第一生命は、第一生命情報システムとアビームコンサルティングの支援の下、会計業務のデジタル化によるスマートな働き方への変革を目指し、基幹システムを刷新した。会計業務プラットフォームには、SAPジャパンの経営基盤システム「SAP S/4HANA」を採用し、2023年5月に本稼働を開始した。8月7日、SAPジャパンが発表した。
第一生命の会計システムは、約30年にわたりメインフレームで構築した自社システムと、2006年2月に導入したオンプレミス型の会計システム「SAP ERP」を併用していた。このため、会計業務はメインフレームとSAP ERPに分散し、複雑かつ非効率なシステム構成となっていた。また、紙ベースの業務が中心で、従業員のオフィス出社や印鑑による決裁が必要など、多様な働き方に対応できない課題もあった。
第一生命は、2021年4月から会計業務のデジタル化プロジェクトに着手。会計業務の将来像として「スマートな働き方」「スマートな会計組織」「スマートな会計インフラ」を策定。この方針の下、会計システムをリアルタイム性と証憑類の保存に優れたS/4HANAベースのクラウドシステムに統合し、会計プロセスの簡素化・集約化を実施した。
これにより、ペーパーレス化による業務効率化やテレワーク推進など、会計業務のDXを加速した。なお、S/4HANAへのシステム移行は国内保険業界で初の取り組みとなる。
システム導入は、第一生命情報システムとアビームコンサルティングが支援した。第一生命情報システムは、長年のシステム保守運用で培った知見を生かし、メインフレームシステムとS/4HANAとの連携機能の開発や、サーバーの移行について、基本構想計画から導入までを支援し、稼働後の保守、運用も担う。
アビームコンサルティングは、会計業務改革の知見を生かし、業務・システムの将来像策定から支援した。現行システムの調査と変革ポイントを明確にした上でプロジェクト全体計画を策定し、会計業務プロセスとシステムの要件定義、設計、導入までを総合的に支援した。
第一生命は今後、構築した新たな会計業務システムをベースに、最新デジタル技術を活用した会計業務のさらなる効率化や、会計データ活用による経営の意思決定の高度化などを推進する。また、本社会計だけでなく、全国の支社92拠点、営業オフィス1153拠点(2023年4月1日現在)の支社会計業務のDX化も目指す。
ニュースリリースURL
https://news.sap.com/japan/2023/08/0807_daiichiseimeihoken/