東京ガスは、経営基盤の再構築と業務の標準化・効率化を目的に、SAPのクラウドERPを中核としたクラウドサービス「RISE with SAP」を採用した。7月11日、PwCコンサルティングとSAPジャパンが発表した。今回の導入により、複雑化していた経理および資材・物流業務とITシステムのスリム化を実現し、将来の変化に柔軟に対応可能な経営基盤を構築した。
東京ガスは、2023〜2025年度の中期経営計画において「変化に強いしなやかな企業体質の実現」を主要戦略の一つに掲げ、デジタルトランスフォーメーション(DX)を通じた仕組みや業務プロセスの変革を推進している。今回の基幹システム刷新は、その主要戦略に沿った取り組みだ。
これまで同社が利用してきた経理および資材・物流業務の基幹システムは、長年の業務拡張や固有要件への対応の結果、複雑化していた。そこで、システム構築においてはアドオン開発を極力行わず、標準機能の活用を基本とする「Fit to Standard」方針を採用。業務とITシステムの抜本的な見直しとスリム化を図ることを決めた。
システム導入プロジェクトはPwCコンサルティングとSAPジャパンが支援し、クラウドERPの「SAP S/4HANA Cloud」を中核とするRISE with SAPを導入した。プロジェクトは計画通り進み、要件定義から本稼働までを2年で完了した。このアプローチで、従来の大規模なシステム導入と比較して、アドオン本数と稼働開始までの期間を削減している。
今回の刷新により、事業拡大に伴う組織改編や法制度の変更といった将来的な変化にも柔軟に対応できる、持続性の高いホールディングス型グループ経営を支える基盤が構築された。また、クラウドERPを採用したことで、定期的な機能拡充が見込めるほか、SAPが今後提供する最新のDXツールとの連携を通じた業務のさらなる高度化・効率化も期待できる。
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