マツモトプレシジョン、SAPのツール導入で製品単位のCO2排出量情報提供開始

2024年9月9日08:30|ニュースリリース公開日 2024年3月5日|ニュースCaseHUB.News編集部
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 マツモトプレシジョンは、自社製品の環境価値向上を目的として、企業および製品のカーボンフットプリントを一括計算できる「SAP Sustainability Footprint Management」を2023年11月に採用、取引先に向けて製品単位でのCO2排出量の情報を提供開始した。導入はアクセンチュアが支援した。SAPジャパンが2024年3月5日に発表した。

 マツモトプレシジョンは、福島県喜多方市に本社を置く精密機械部品加工会社。空気圧制御部品、自動車部品などを加工している。同社は、DX基盤を企業経営の根幹に位置付け、グリーントランスフォーメーション(GX)、事業継続計画(BCP)、多様性(Diversity)、事業承継などに注力し、社会から選ばれ続ける企業を目指している。

 同社が掲げるビジョン「ザ・サステイナブルファクトリー」の実現に向け、東北地方最大級の自社ソーラーカーポートによる電力自給や、非化石証書付きの電力購入など様々な取り組みを行っている。マツモトプレシジョンは、SAPジャパンとアクセンチュアが推進する中小製造業の生産性向上のための共通業務システムプラットフォーム「コネクテッド マニファクチャリング エンタープライゼス(CMEs)」の初のユーザーとなった。CMEsは、中小製造業の業務システムを共通化したクラウドサービスで、SAPのERPであるSAP S/4HANAをベースにアクセンチュアが開発した各種テンプレートで構成される地域共通ERPプラットフォームである。

 マツモトプレシジョンはCMEsを2021年4月から活用開始し、自社の業務プロセスの標準化を実施した。SAP S/4HANAの活用により、決算の早期化や単品別個別原価計算を可能にし、生産性を約30%向上させ、経営判断の迅速化を実現した。今回、SAP Sustainability Footprint Managementを採用したことで、同社の取引先に向け製品単位でのCO2排出量の情報提供を開始した。今までも工場単位でのCO2排出量の可視化には取り組んでいたが、製品別には可視化できていなかった。SAP Sustainability Footprint Managementは既に活用しているSAP S/4HANAが保持する製品別の個別製造実績情報を基にCO2排出量を製品別に計算できる。

 マツモトプレシジョンの代表取締役社長 松本 敏忠氏は、「環境価値と経済価値を両立させるためにDX基盤が不可欠です。特に、SAP S/4HANAのERP基盤によって生産から調達・販売まで業務が標準化されていたため短期間で今回のプロジェクトが実現できました。中小企業・大企業含め日本のバリューチェーン全体で取り組んでいくことで日本全体の競争力が高まることを期待しています」と述べている。

ニュースリリースURL
https://news.sap.com/japan/2024/03/matsumotoprecision-sfm/