SBIレミットは、200以上の国と地域に対応する海外送金アプリケーション「SBI Remitアプリ」をリニューアルした。7月3日、開発を支援したアイスリーデザインが発表した。アプリケーションの操作性低下によるユーザー離れや、複雑な開発環境に伴う機能改善コストの増大といった課題を解消するため、UX/UIの刷新と開発基盤の構築を行い、顧客ロイヤルティの向上と改修工数の削減を共同で実現した。
フィンテック等の技術革新を背景に銀行を介さない低コストな送金環境の整備が進むなか、個人向け海外送金事業の市場規模は拡大傾向にある。一方で、各社による手数料の引き下げにより価格面での差別化は限界を迎えつつあり、競合優位性を保つための「顧客体験(UX)」の重要性が高まっていた。SBIレミットが提供するアプリケーションは9言語に対応し、言語やITリテラシーの異なる多様なユーザーが利用するが、利便性の低下に起因する問い合わせの増加や、Webとアプリケーションで開発環境が異なることによる機能改善時の影響調査・対応コストの肥大化が課題となっていた。さらに、昨今の金融詐欺被害の増加を受けたセキュリティ対策の強化も急務であった。
こうした課題に対し、同社はUX研究・UI設計・フロントエンド開発を一気通貫で手がけるアイスリーデザインの支援のもと、三つの軸からリニューアルを推進した。まず、多様なユーザーが直感的に使えるよう入力プロセスを複数ステップに分割し、進行状況を可視化することで手続き時の心理的負担を軽減。エラー発生時には具体的な修正方法を示すガイドを表示し、スムーズな自己解決を促すことでカスタマーサポートの負荷軽減につなげた。また、金融機関としての信頼感を基盤としつつ、公式キャラクターを適切に配置して親しみやすさと安心感を両立させている。
開発基盤の面では、従来分散していたiOSとAndroidのソースコードをクロスプラットフォーム開発により一つのコードベースに統合し、新機能実装時の影響調査や改修にかかる工数を削減した。あわせてWebView型のハイブリッド構成を採用し、サーバー側のコンテンツを更新するだけで最新の情報をアプリへ迅速に反映できる環境を整え、市場の変化に即応できる仕組みを構築した。
セキュリティ面においては、フィッシング耐性のある安全な認証設計として指紋や顔認証による多要素認証をログイン時に実装し、不正利用のリスクからユーザーを強固に保護。さらに、国内外からのアクセスに対して安定稼働するクラウド配信基盤を構築し、すべての通信の暗号化やサイバー攻撃の自動防御システムを整備した。これにより、社内外から「使いやすい」との評価を獲得し、サービス全体の信頼性向上と安定した運用体制を実現している。