コマツカミンズエンジンが、複数拠点におけるエンジンと鉄パレットの追跡、管理の効率化を目的に、京セラコミュニケーションシステム(KCCS)のSigfoxを用いたパレット管理サービスを導入した。KCCSが2024年2月29日に発表した。
コマツカミンズエンジンは、建設機械などに使われるディーゼルエンジンの製造を手がける。完成したエンジンは鉄パレットに載せコマツグループの複数拠点に出荷する。その後、エンジンが降ろされた鉄パレットのみが工場に戻る。そのため、複数拠点にわたってエンジンと鉄パレットを追跡する必要があり、管理の複雑化が課題となっていた。
KCCSのパレット管理サービスは、トラッキングデバイスをパレットなどの物流資材に取り付けることで、位置情報を可視化し、レポートするサービス。RFIDなどを用いる場合は読み取り装置が必要となり、利用できる場所が限定されるが、本サービスは国内人口カバー率95%のSigfoxネットワークを利用して追跡するため、専用装置がなくても広範囲で位置情報を把握でき、初期費用も抑えられる。
コマツカミンズエンジンは、2023年11月に本サービスを導入した。現在、約100台のトラッキングデバイスを鉄パレットに取り付けて運用している。さらに、エンジンの製品IDと鉄パレットに取り付けたデバイスのIDをスマートフォンのカメラで読み取り、紐づけることで、エンジンの出荷状況や鉄パレットの空き状況などのステータスをアプリケーション上で管理する仕組みをKCCSが構築した。
これらを導入した結果、エンジンと鉄パレットの所在やステータスが把握可能となり、紛失や長期滞留在庫の防止、空いた鉄パレットの次のエンジンへの迅速な割り当てなど、業務効率化に貢献している。