青山商事、評価機関対応をSmartESGで一元化 他部署と改善に取り組む段階へ

2026年10月23日09:00|ニュース|CaseHUB.News編集部
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 スーツなどのビジネスウェアを主力とする青山商事は、サステナビリティ情報の開示支援クラウド「SmartESG」で、ESG評価機関への調査票の対応を一元化し、少人数で他部署を巻き込む体制を作った。2025年5月に導入し、評価機関対応を単なる回答業務にとどめず、各部署と改善を進める起点として活用しつつある。10月22日、開発元のシェルパ・アンド・カンパニーが事例を公開した。

 青山商事の広報部サステナビリティ推進グループは、2023年10月に新設され、2人で始まった。現在は3人だが、対応できる範囲は限られる。当初は、CDPやTCFDなどの開示対応が業務の大半を占め、企画や取り組みの推進に、手を付けられなかった。同じ2023年から、S&P Global CSAへの回答も始まり、内容が専門的で、勉強しながら進めるしかなかった。調査票は、届くとまず自分で読み解いて各部署に展開する。環境のエネルギー関連は総務部、女性活躍推進は人事部、採用は人材開発部、サプライチェーンは商品部と、テーマごとに連携先が異なり、各部署の担当者にとっては本業ではないため、サステナビリティ推進グループに多くの質問が寄せられた。Excelでの調査票の管理と、個別のやり取りに追われ、業務が担当者個人の知識に依存していた。

 導入までには約1年を要した。費用を伴うシステム導入について経営層の理解と承認を得るため、広報部の担当役員への月1回の定例報告を通じて検討内容を共有した。社内の理解を得たうえで、シェルパが経営層向けの説明会を実施した。選定では、自社の現状や課題、必要な対応、導入メリットを整理した資料に加え、分析機能を活用した導入後のロードマップの提示が決め手となった。S&P Global CSAなど、翻訳が必要な調査票に対応できる点も評価した。

 他部署への展開に当たっては、操作への戸惑いを抑えるため、シェルパが管理者向けと回答者向けのマニュアルを作成し、説明会を3コマほど実施した。操作に関する問い合わせは、サステナビリティ推進グループを介さず、シェルパの担当者が直接受け付ける体制とした。回答方法が異なる調査票ごとにも、個別のマニュアル作成と説明会を実施した。各部署からは「前年の回答と比較できるのが良い」と評価する声がある一方、部署内での回答依頼には使い慣れたExcelを希望する声もあった。こうした部署には、SmartESGのメモ機能やエクスポート機能を使った対応方法を説明し、利用を促した。

 現在は、各部署への調査票の依頼と回答をSmartESG上で一元管理し、タグやメモを使って回答の経緯を関係者間で共有している。共通の情報基盤に対応履歴が残るため、異動や出向などで担当者が交代した際も引き継ぎやすくなった。導入2年目からは、評価機関の分析を支援する「Focus」機能を活用し、FTSEの分析に着手した。同機能は、評価機関ごとに目標スコアを設定し、評価項目別に不足する取り組みや根拠資料を可視化する。他社の傾向との比較にも対応する。従来は評価上の自社の位置付けや改善すべき項目を十分に把握できていなかったが、分析によって課題項目が明確になり、関連部署に追加で開示できる情報を確認するなど、改善を働きかけるようになった。

 広報部長の長澤英規氏は、スコアアップがすべてではないが、評価機関の評価も重要と話す。業務の進めやすさだけでなく、評価の向上も成果として示さなければ、経営から「DXだけ進んで成果が出ていない」と見られかねないとする。今後は、各部署の取り組みを支援するうえで、どの評価項目に重点を置くかを明確にしていく。他部署との理想の関係は、サステナビリティ推進グループが、国内外の動向を先取りし、足元の回答は、各部署が回す状態だ。ただ、業務が完全に分断しないよう、各部署の担当者に寄り添い、相談できる関係を保つ。グループ長の宮本征大氏は、スコアのために行うわけではないが、不足する部分を洗い出して取り組めば、結果的にスコアにもつながると考えている。

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