名阪真空工業は、業務効率化と品質管理強化を目的に生産管理クラウド「SmartF」を導入した。4月14日、同システムを提供するネクスタが発表した。
名阪真空工業は、紙とエクセルを併用した在庫管理を行っていたが、現場担当者の記憶や経験に依存する運用が課題となっていた。正確な在庫数の把握や先入先出の徹底が困難であり、取引先からの監査対応にも負担が生じていた。また、棚卸作業には多くの時間がかかり、生産性向上の妨げとなっていた。
こうした背景から、名阪真空工業はSmartFの導入を決めた。同システムが在庫管理や品質管理を効率化できる点に加え、ネクスタによる現場に即したコンサルティング支援が受けられることが評価された。導入プロセスでは、現場作業者への操作説明などを通じ、スムーズな稼働を実現した。
導入後の効果としては、品質管理体制の強化やヒューマンエラーのリスク削減が挙げられる。具体的には、ロットトレースや期限管理のシステム化により監査対応が容易になった。また、ハンディターミナルとQRコードを活用した在庫管理により、年間3000時間分の工数削減を達成した。棚卸作業も効率化され、人件費と資材費合わせて約300万円の経費削減につながった。
名阪真空工業は今後、SmartFの機能拡張を進め、生産データの一元管理を目指す。次のステップとして受注管理や工程管理への適用を検討しており、さらなるトレーサビリティ強化と原価管理体制の構築に取り組む。同社担当者は「既存機能への慣れも進んでおり、新たな機能もスムーズに導入できる見込み」とコメントしている。
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