特許機器がSmartMat Cloudで在庫管理精度を向上、過剰在庫や欠品を防止

2025年1月6日09:00|ニュースCaseHUB.News編集部
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 特許機器株式会社が、IoT在庫管理・DXソリューション「SmartMat Cloud」を導入し、在庫管理精度の向上と、それに伴う過剰在庫や欠品の防止を実現した。株式会社エスマットが12月26日に発表した。

 特許機器は1969年の設立以来、50年以上にわたり振動制御の専業メーカーとして事業を展開してきた。同社では、以前からシステムで管理する理論在庫数と、実際の在庫数との間にずれが生じ、過剰在庫や欠品が発生していた。また、重量物のカウント作業に伴う労災リスクや、機械油が付着した部品の取り扱いにおける作業効率の低下も課題となっていた。

 これらの課題を解決するため、特許機器はSmartMat Cloudの導入を決めた。選定の決め手となったのは、「マットを敷くだけ」という導入の手軽さと、シンプルな操作性だった。また、システムが構築済みで、マットとシステムが一体型のパッケージである点、リース契約による柔軟な契約変更が可能である点も評価された。

 導入前は実在庫数を紙と目視で管理し、棚卸時に紙の記録と理論在庫を照合していた。日常的な在庫管理では、入出庫表に記録し、その都度システム上の理論在庫を更新していた。しかし、部品の種類が多く、頻繁に出入りする部品では差異が生じやすく、3ヶ月に一度の棚卸時には、差異の原因を遡って調査する必要があった。

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スマートマットで毎日の在庫数を自動カウント

 SmartMat Cloudの導入で、棚卸時の実数確認作業が不要となり、日々、自動で実在庫数が確認可能となった。これにより、理論在庫と実在庫のずれを可視化し、差異の原因特定が容易になっている。また、在庫数の自動カウントで、人的コストの削減と省力化、在庫管理精度の向上が実現した。加えて、在庫の誤計上を抑制し、過剰発注による廃棄ロスの防止にもつながり、キャッシュフローの改善に貢献した。

 さらに、機械的なリアルタイムの在庫監視により、部品欠品による生産ロスや緊急対応による品質低下のリスクが低減され、納期遵守や製品品質の維持、向上に繋がった。重量物カウントによる労災リスクや、機械油の付着した部品との接触機会の低減にも効果があった。

 現在、特許機器では、毎日在庫差異の調査を実施している。SmartMat Cloudの実在庫数と生産管理システムの理論在庫データをExcel上に表示し、RPAを用いてデータ更新と比較作業を自動化している。差異発生時には、関係者にメールが自動配信される仕組みも構築した。

 今後、新規に立ち上げた伊丹工場へSmartMat Cloudの水平展開を計画しており、より多くの部品管理と迅速な実数確認による在庫管理精度向上を期待している。また、実数確認の迅速化により、システム上の理論在庫を用いたMRP(Material Requirements Planning)発注機能のフル活用を目指す。

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