デンカは、各部署で分断されていた学習管理システム(LMS)の一元化と、データに基づく人財育成環境の構築を目的に、大企業向け多機能型LMS「SmartSkill Campus」を採用した。システムを開発・提供するレビックグローバルが発表した。約4300名の全社員を対象にデータ基盤を確立したことで、管理運用の属人化解消や効率化を達成し、現場の主体的な学びを支える仕組みを整えた。
デンカは、1915年の創業以来、独自の技術力を基盤に発展を続けてきた大手化学メーカーである。現在は「化学の力で、世界をよりよくするスペシャリストになる。」というパーパスのもと、四つの事業部門を多角的に展開している。同社は経営計画「Mission 2030」において「人財価値創造」を重要戦略に掲げ、社員が自律的にキャリアと学びを設計する「自ら学ぶ文化」の定着を目指していた。しかし、従来は社内に複数のLMSが並存し、各部門が個別に導入・運用していたため、教育データが分散して管理の非効率化や属人化が生じていた。どの教育をどこから受講すべきかが分かりにくくユーザーの負担になっていたほか、既存システムは機能拡張や外部システム連携のたびに個別開発が必要となるなど、将来的な拡張性にも課題を抱えていた。人的資本経営やタレントマネジメントの観点からも、教育履歴を人財データとして一元管理・分析できる全社最適の共通基盤への刷新が急務となっていた。
こうした課題を解決するため、同社は単なる研修管理ツールにとどまらない全社一貫の教育体系を支える基盤として、複数のLMSを比較検討しSmartSkill Campusの採用を決めた。他システムや人事データとの高い親和性・連携性を備え、データ活用を前提とした設計である点に加え、多くの機能が追加費用なしの標準機能として充実している優位性を評価した。
導入にあたっては、教育体系の再整理とインフラの刷新を同時に推進し、「教育プログラムの集約」と「管理の共通化」を軸とした実運用ルールやマニュアルを整備した。また、同社の製造拠点をはじめ日常的にPCを使用しない現場社員への配慮として、ボタン数や配色を抑えたシンプルなUI設計を採用し、迷わず学習へアクセスできる導線を構築した。
導入の効果として、データ基盤が再設計され、受講履歴がタレントマネジメントシステムへ自動で連携される体制が確立された。これにより、個人ごとの教育履歴が他の人事情報と合わせて可視化・蓄積され、より高度な人財活用や育成施策の検討を行う土台が整った。受講者側の利便性が向上した一方、管理者側でもデータ集計業務の負荷軽減や属人化の解消、定量データに基づく客観的な意思決定が可能となった。さらに、導入から実務レベルの相談、細かな不具合対応に至るまで、ベンダーのカスタマーサクセスチームによる迅速かつ手厚い伴走型サポート体制が大きな安心感につながった。
同社人財戦略部で人財育成推進課長を務める吉成氏らは、今回の刷新が自律型人財の育成に向けた中核的な施策であるという。今後は、必修プログラムに連動したレコメンド機能の実装やカテゴリの最適化などを通じて受講者の学習体験をさらに高度化し、各種教育施策を負担としてではなく、自律的な成長を支える手段として前向きに活用する文化の定着を推進していく。