熊本市は、オープンデータなどを活用したデータ駆動型の市政運営を推進するため、「熊本市データ活用基盤」の中核として「Snowflake AIデータクラウド」を採用した。2026年4月24日、Snowflakeが発表した。自治体を取り巻く複雑な課題に対し、経験や慣例に依存しない証拠に基づく政策立案(EBPM)の確立を目指す。
近年、人口減少や少子高齢化、災害対応など、自治体が直面する課題は高度化している。熊本市では、庁内外に分散する多様な業務データを横断的に分析し、迅速な意思決定を行うための共通基盤の整備が急務となっていた。そこで、政府情報システムのためのセキュリティ評価制度(ISMAP)への登録を完了し、強固な信頼性を備えたSnowflakeを、国内の公共団体として初めて本格的に採用した。
今回の基盤構築にあたっては、NTTデータ九州が導入を支援した。あわせて、データ連携ツールとして「ASTERIA Warp」を活用し、Snowflakeへのデータ収集や加工を自動化している。これにより、担当職員の作業負担を軽減しながら、効率的なデータ活用環境を実現した。
新基盤の大きな特徴は、全職員が自席から最新データにアクセスできる点だ。特別な技術知識がなくても利用可能な環境を整え、組織横断でのデータ利活用を促す。また、e-Stat(政府統計ポータルサイト)などのオープンデータを取り込み、行政データと組み合わせることで、人口動態や社会経済指標に基づいた精度の高い施策効果の検証が可能になった。
Snowflakeのアーキテクチャはストレージとコンピューティングが分離されており、分析ニーズに応じて処理性能を柔軟に拡張できる。さらに、データシェアリング機能を活用することで、部署間での円滑な情報共有を実現し、組織全体のデータリテラシー向上にもつなげたい考えだ。
今後は、対話型AI機能である「Snowflake Intelligence」の活用も視野に入れている。職員が自然言語でデータにアクセスし、専門的なスキルがなくても洞察を得られる環境を検討していく。