塩野義製薬は、データ解析基盤にSnowflakeのデータクラウドを採用した。2024年2月27日、Snowflakeが発表した。インテージテクノスフィアと共同で、環境を構築した。
塩野義製薬は、2030年に向けた新たな方向性として「Healthcare as a service(HaaS)」を提唱している。HaaSは、技術革新やデータ活用の促進により、未病、予防、診断、治療、フォローアップの各ステップで最適化されたソリューションを提供し、人々の健康に貢献することを目指す。
HaaS創造企業への変革を実現するには、多様なパートナーとデータを収集、活用できる基盤を構築し、高度なデータ活用技術を通じたデータ・ドリブン型ビジネスによる業務プロセスの変革と、ヘルスケアソリューションの創出が必要とされている。
塩野義製薬は、HaaSの取り組みの一環として、同社が掲げるセントラルデータマネジメント構想の実現に向け、Snowflakeを業務領域横断的な解析用データウェアハウスと位置付け採用した。Snowflakeは、社内の業務システム由来のデータだけでなく、医療ビックデータなどの社外の大規模データや、パートナーとのデータ連携を支援し、業務プロセスの変革を強力にバックアップする。そして、データ・ドリブン型ビジネスの推進とヘルスケアソリューションの創出の実現を支援する。
塩野義製薬は、セントラルデータマネジメント構想を踏まえた基盤構築を進めるために、従来の解析基盤の仕様を考慮しつつ、「オンプレミスからクラウドへの大規模移行の品質担保」、「複雑かつ柔軟な認証認可の実装」、「データ管理運用方針の検討」という3つの課題を抱えていた。Snowflakeは、インテージテクノスフィアと共同で、クラウドへの移行対象の全データ群に対してハッシュ値を用いた検証手法により、データの整合性、妥当性を担保する。
塩野義製薬では、従来のオンプレミス環境からSnowflakeのデータクラウドに移行することで、大規模データの解析にかかる時間が約30%~70%短縮されるなど、データ処理の速度が大幅に向上した。