旭川信用金庫は、スパイラルのローコード開発プラットフォーム「SPIRAL ver.1」へ業務システム基盤を移行した。2026年8月20日、スパイラルが発表した。開発未経験の職員を中心に複数の業務システムを完全内製化し、年間約120万円のコスト削減やデータの一元管理による業務効率化を図った。
旭川信用金庫は北海道旭川市に本店を置き、道内で40店舗を展開する地域金融機関。同金庫では業務のDX推進にあたり、従来は他社の国内大手業務アプリケーション開発プラットフォームを活用してノーコードでのシステム構築を行っていた。しかし、Webフォーム作成のたびに追加契約が必要となるプラグイン費用や、利用ユーザー数に応じたID課金体系により、運用コストが増加していた。また、一つのデータベースにつき一つのアプリケーションしか作成できない仕様上の制約から、複数データベース間の連携やデータの突き合わせ、進捗管理が煩雑化し、画面レイアウトのカスタマイズ性やサポート体制にも限界を感じていた。
同金庫が運営する職業紹介事業所「トライアルワークセンター」の求職・求人受付管理システムを発展させたいという現場の要望を契機に、新たな開発基盤の検討を開始。標準機能だけでWebフォーム作成や複数データの連携が完結する点や、アカウント課金ではなくデータ登録件数に応じた定額従量課金制により全職員へアカウントを配布しやすい点を評価し、SPIRAL ver.1の採用を決めた。金融機関での豊富な採用実績や強固なセキュリティ体制、営業担当者による移行後の具体的な将来像や設計図の提示も決め手となった。
システム移行にあたっては、システム部に着任して約1年半で開発経験がなかった担当者が主導した。トライアル期間中にスパイラルの営業担当者が移行難易度を項目ごとに切り分けたほか、充実したサポートサイトやWeb会議ツールを通じた画面共有サポートを活用。当初想定していた外部委託を行わず、すべて内製で移行を完了させた。
リプレース後は、月額のシステム利用料が10万円以上抑えられ、年間で約120万円の運用コストを削減した。求職・求人受付管理システムでは、従来分断されていた求職者情報や面談の経過記録、事業所情報、求人情報を一つのアプリケーション内で紐づけて一元管理できるようになり、ステータス変更の即時把握やデータの取り違い防止につながった。また、他金庫と共催する地域イベント「駅マルシェ」の出店者管理アプリケーションも同基盤で再構築した。出店者が専用のマイページから情報を随時入力・更新できる仕組みを整えたことで、URL発行の手間を解消したほか、共催する他金融機関の担当者とも管理画面上で出店者情報をリアルタイムに共有可能となった。
直近では相続受付のWeb運用を開始しており、今後は別システムで運用している来店予約システムやマネー・ローンダリング対策の継続的顧客管理DM送付管理などについてもSPIRALへの統合を検討していく。業務システムの一元化を進め、さらなる経費削減と運用効率の向上を目指す。