プロジェクト管理ツール「Backlog」などを提供するヌーラボは、データベースのバージョンアップに際し、インサイトテクノロジーのSQLテストツール「Insight SQL Testing」を採用、従来の3分の1以下の期間でテストを完了し、安定稼働を実現した。インサイトテクノロジーが11月13日に発表した。
ヌーラボはBacklogやオンライン作図ツール「Cacoo」など、数百万人を超えるユーザーが利用するコラボレーションツールを開発、提供している。これらのサービスで利用するデータベースであるAmazon Aurora MySQL バージョン2のサポート終了に伴い、バージョン3へのバージョンアップを安全かつ確実に実施する方法を検討していた。
従来のシナリオベースの回帰テストでは、本番環境におけるSQLの実行を再現することが難しく、テストの網羅性に課題があった。そのため、移行後の影響を十分に把握できないことが懸念されていた。そこで、より網羅的で効率的なテストを実施できるソリューションを探していた。
さまざまなソリューションを検討した結果、ヌーラボはInsight SQL Testingを採用した。選定理由は、本番環境と同等のトラフィックデータを用いたリアルな検証が可能である点、AWSにおける豊富な利用実績があった点などだ。
Insight SQL Testingは、本番環境でアプリケーションが発行するSQLを自動収集し、収集したSQLを移行先のテスト環境でテスト・評価することで、バージョンアップ時のテスト工数を大幅に削減できる。ヌーラボはInsight SQL Testingの導入で、本番環境と同等のトラフィックデータを用いたテストが可能になり、従来の人力による方法よりも網羅的なテストを実現できた。また、従来なら3か月程かかっていた検証を、1か月足らずで完了させている。Insight SQL Testingは、AWSとの親和性が高く、Amazon CloudWatchとのログ連携も容易にでき、サポートからの回答も早いなど、スムーズに利用できた。
ヌーラボ Reliability Engineering部の二橋宣友氏は「ユーザー数の増加やワークロードの多様化により、BacklogやCacooをはじめとする各プロダクトと連携する認証基盤のデータベースのバージョンアップには、より高い安全性が求められていました。Insight SQL Testingは本番環境と同等のトラフィックデータを用いたよりリアルで網羅的な検証ができるため、安全にバージョンアップを完了できました。また従来の方法であれば少なくとも3ヶ月かかっていたテストを1ヶ月足らずで完了することができるなど、効率の面でも大きなメリットがありました」とコメントしている。