TBSホールディングスは2023年10月から開始したグループ共通IDサービス「TBS ID」の安定性、耐障害性を向上のために、New Relicのオブザーバビリティプラットフォーム「New Relic」を導入した。New Relicが、2024年3月27日発表した。
TBSグループは「EDGE(Expand Digital Global Experience)戦略」に基づき、メディアグループからコンテンツグループへの変革を進めている。2030年までに放送以外の事業収入を60%に引き上げる目標を掲げ、デジタル分野、海外市場、ライブ&ライフスタイルの3分野を重点領域に据えている。その原動力が「TBSコンテンツの拡張」であり、生活者のあらゆるシーンにコンテンツを届け、広範な分野への事業展開を図る。
TBS IDは、放送、配信、劇場、店舗など、TBSグループの多様な顧客接点を横断的につなぐプラットフォームだ。顧客は複数のサービスを一つのIDで利用でき、利便性が向上する。一方、TBSグループは統合的な会員情報に基づき、質の高いマーケティング活動が可能となる。
TBS IDシステムは、顧客基盤、認証基盤、データ基盤で構成され、複数の外部サービスとも連携する。高い安定性と耐障害性が求められるシステムで、AWS Fargateをはじめとする技術を採用し、負荷の増減に対応できる柔軟性を備える。さらに、24時間365日のサービス監視、保守体制を構築し、不具合発生時の迅速な対応のためにNew Relicを導入した。
New Relicの導入で、コンテナアプリケーションとサーバーレスで構築されたTBS IDシステム全体の可視化を実現した。フロントエンドからバックエンドまでのワークロードの状態を包括的に把握できるようになり、問題解決の迅速化、潜在的な不具合の早期発見、予防保守が可能になった。開発段階でも、異なるベンダーが開発した複数の基盤がAPI連携する環境のテストで、New Relicが不具合検知と原因特定に貢献した。New Relicで得られた観測データは「共通指標」としてプロジェクト内で共有され、ソフトウェアの品質向上にも役立っている。
TBSホールディングス総合マーケティングラボ TBSグループID事務局の藤居翔吾氏は、「TBS IDの提供を通じてお客様に"多様なコンテンツ体験"を提供するとともに、グループ横断的なマーケティング活動によりEDGE戦略を加速させることが私たちの目標です。そのために、New Relicを活用して安定性と耐障害性を向上させてまいります。」と述べている。