住友ゴム工業、「Teachme Biz」で全社的な業務標準化 マニュアル作成にAI活用も

2025年7月16日19:35|ニュースCaseHUB.News編集部
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 住友ゴム工業(住友ゴム)は、マニュアル作成・共有システム「Teachme Biz」と、AIによるマニュアル作成自動化機能「Teachme AI」を採用し、全社的な業務標準化に取り組んでいる。7月16日、両製品を提供するスタディストが発表した。属人化していた業務ノウハウを動画や画像を使って視覚的に分かりやすく標準化し、部門の枠を超えて共有する。将来的には海外拠点にも展開し、全社的なナレッジ基盤の構築を目指す考えだ。

 同社では従来、作業手順書をExcelやWordで作成していたが、部署ごとにフォーマットが異なり、品質にもばらつきがあった。また、手順書は存在していたものの、実際の教育はOJTに頼る傾向が強く、教育の標準化や効率的な技術・ノウハウの継承が課題になっていたという。

 こうした課題の解決策として、同社は2024年2月にTeachme Bizを導入。当初は研究部門での利用から始まったが、他部署からも「使いたい」という声が上がり、利用が拡大。2025年2月には、さらなる利用促進のためTeachme AIも追加契約した。現在では研究部門と製造技術部といった異なる部門が連携して活用を進めるなど、全社的な取り組みに発展している。

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住友ゴムのTeachme Biz活用の様子(出典:スタディスト)

 Teachme Bizの採用にあたっては、国内での導入実績やセキュリティ基準を評価したという。また、動画や写真を簡単に組み込める編集性の高さや、動画からのマニュアル作成を自動化するTeachme AIの機能が現場の負担を軽減し、利用拡大を後押ししたという。

 導入後、タイヤの製造工程や設備の操作方法、研究開発部門での実験手順書といった専門性の高い内容が、統一されたフォーマットで視覚的に分かりやすく整備された。これらは新入社員向けの初期教育マニュアルとしても活用され、指導員がつきっきりにならずとも、新入社員が自らマニュアルを参照して業務を進められる環境が整い、教育効率が向上したとしている。

 今後は、研究部門で2026年秋までに約400件のマニュアルをTeachme Bizへ移行し、生産本部では3年以内に既存マニュアルの100%移行を目指す。住友ゴムは2万アカウントを契約しており、国内外の拠点で活用を拡大し、「分からないことがあればTeachme Bizを開く」という文化を社内に定着させていく方針だという。同社研究開発本部研究企画部部長の野尻和紀氏は、「Teachme BizとTeachme AIの活用により、マニュアル作成の効率化と品質向上を両立できると確信している。全社的なナレッジ基盤の構築を目指したい」とコメントしている。

ニュースリリース