THK、IBMの支援でグローバル会計システムをクラウドERPに 12カ月で移行完了

2024年10月18日18:00|ニュースCaseHUB.News編集部
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 機械要素部品メーカーのTHKは、日本IBMの支援で21カ国33拠点のグローバル会計システムを「SAP S/4HANA Cloud」に移行し、2024年6月に稼働を開始した。移行にあたっては、S/4HANA Cloudを中核としたクラウドオファリング「RISE with SAP」を採用した。THKと日本IBM、SAPジャパンが10月18日に発表した。

 THKは世界各地域で製販一体体制を構築し、グローバルでの成長や新規事業分野の開拓、ビジネススタイルの変革を推進しているという。こうした成長戦略を支える基盤であるグローバル会計システムには「SAP ERP Central Component」(ECC)を導入していたが、導入から10年が経過し、ハードウェアの保守終了が迫っていたタイミングで、RISE with SAPの採用を決定。業務継続性を担保するとともに、先進テクノロジーを活用して業務やシステムの運用改善を実現できるグローバル会計システムの構築を目指した。

 THKのグローバル会計システムは大規模な基幹システムであるため、業務プロセスなどの変更を最小限に抑えて移行リスクを軽減することを重視したという。新システムへの移行では、既存SAPシステムの資産をそのままS/4HANAに移行するアプローチ(ブラウンフィールド)を採用し、12カ月で移行を進め、業務への影響を最小限にとどめて安定稼働を実現した。

 今回のプロジェクトでは、グローバルで共通プラットフォームを構築するという構想の下、全ての拠点を同一バージョンとするシングルインスタンスを採用した。これもSAP S/4HANA Cloudへの移行を短期間で完了できた要因だとしている。

 また日本IBMは、2013年のグローバル会計システム導入と運用・保守を支援したほか、経費精算システムの「SAP Concur」や支出管理ソリューション「SAP Ariba」の導入など、経理財務を中心とするTHKのSAPソリューション導入と運用・保守を網羅的に支援してきた。こうした実績もプロジェクトのスムーズな進行に寄与したという。

ニュースリリース