TimeTree、「New Relic」の全社活用でサービス品質と開発の生産性を向上

2025年8月18日15:08|ニュースCaseHUB.News編集部
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 TimeTreeは、カレンダーシェアアプリ「TimeTree」のサービス品質向上を目的に、オブザーバビリティプラットフォーム「New Relic」の活用を拡大した。8月18日、New Relicが発表した。新しいライセンス体系に切り替えることで、エンジニア組織全体で活用できる環境を整備。アプリケーション開発の生産性を高め、ユーザーへの価値提供サイクルの短縮化につなげている。

 TimeTreeが提供するカレンダーシェアアプリTimeTreeは、世界で6500万のユーザーが利用し、2015年3月のサービス開始から作成された予定は120億件を超える。ユーザー数の拡大とともにトランザクションとデータ量が急増していたため、同社は2025年初頭にサービス基盤をGoogle Cloudに移行。サーバーレスのコンテナ実行環境や、スケーラビリティに優れたデータベースを構築し、負荷増大に対応できる体制を整えていた。

 同社は2022年からNew Relicを導入し、SRE(Site Reliability Engineering)チームを中心に活用を進めてきた。データベースのパフォーマンスチューニングを最適化してコンテナ数を削減するなど、大きな成果を上げていた。これをさらに発展させるため、2024年10月には導入範囲を拡大し、40名を超えるエンジニア全員がNew Relicの全機能を活用できる環境を整備した。

 導入範囲の拡大にあたり、TimeTreeはNew Relicの利用ライセンスを従来のユーザー単位の課金体系から、データ取り込み量と処理アクション数に応じて課金され、利用人数に制限のない「Compute Capacity Unit(CCU)ライセンス」に切り替えた。これにより、New Relicがエンジニア組織の「全社共通で使えるツール」となり、全員がプロダクトの品質やユーザー体験の向上に取り組む体制が強化された。

 従来はバックエンドエンジニアからの要請を受け、SREチームが中心となって問題解決を進めていた。全社活用後は、New Relicが示す観測データを関係者が同時に確認しながら不具合の原因を探ることが可能になった。これにより、目の前の問題の早期解決と潜在的な問題の予防保守が実現し、アプリケーション開発チームは機能開発や改善により注力できるようになった。また、アプリケーション開発段階からのNew Relic活用も進み、本番リリース前にパフォーマンスを評価して不具合を解消するプロセスも定着。ユーザーへの価値提供サイクルの短縮化に結びついている。

 TimeTree 技術本部 SREチーム マネージャーの金井栄喜氏は、「エンジニア組織全体でNew Relicの活用が定着化していくにつれ、システムの健全性が継続的に改善され、TimeTreeのサービス品質とお客様体験は着実に向上している。また、オブザーバビリティを活用する文化の浸透とともに、エンジニア組織全体のパフォーマンスが向上している実感がある」と話している。

ニュースリリース