TOPPANホールディングス、医療情報分析ツール刷新で医薬開発支援と業務効率を向上

2025年6月23日23:54|ニュースCaseHUB.News編集部
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 TOPPANホールディングスは、医療情報分析サービスの機能強化を目的に「DATuM IDEA」のWebツールリニューアルを決定し、2025年1月から新機能を本格提供している。6月17日、ツールの刷新を支援したジールが発表した。

 TOPPANホールディングスは、長年培った印刷技術を基盤に健康・ライフサイエンス分野など新領域への事業展開を進めており、2023年4月からDATuM IDEAを本格的に提供している。同サービスは次世代医療基盤法に基づき、認定医療情報等取扱受託事業者と連携し、匿名加工された電子カルテデータを製薬企業やアカデミア、医療機関に提供するもの。これにより、治療法が見つかっていない疾患への医療ニーズの顕在化や、医療ビッグデータ活用による医薬品開発の早期化を支援している。

 DATuM IDEAのWebツールは、製薬企業からの新たな分析機能の要望や、データ量増加に伴う表示速度の低下など、機能・性能面での課題が生じていた。こうした背景を受け、TOPPANホールディングスはサービス基盤の再設計に着手し、複数のデータマートやBIツールの比較検証を実施した。その上で、最適なソリューションを選択し、追加機能の開発を進めるため、プロジェクト支援パートナーとしてジールを選定した。

 TOPPANホールディングスでは、ジールの複数ベンダーのデータマートやBIツールの構築実績、要件に対する積極的な質問姿勢、課題解決のための具体的な提案内容を評価した。プロジェクトでは、プロトタイプ開発からサービス基盤の製品性能比較検証、製品選定、Webツール画面開発までをジールが支援した。プロトタイプ開発による性能検証を実施したうえで、多様なデータ分析・参照ニーズに対応するMotionBoardをBIツールに選択した。

 リニューアル後のDATuM IDEAのWebツールは、2025年1月から提供を開始。新たに、患者背景や傷病、薬剤など複数項目を自由に設定し、対象患者集団を階層的に絞り込める「抽出機能」、治療実態を多角的に分析しグラフで可視化する「統計分析」、匿名加工された電子カルテデータから検査値を用いて投薬効果などを分析する「アウトカム分析」などの高度な機能が追加された。これにより、製薬企業から高い評価を得ている。MotionBoardを採用したことで、複数の項目を自由に設定しデータを階層的に絞り込める抽出機能や、時系列での推移、統計データの可視化を実現できサービスの品質の向上が実現している。

 TOPPANホールディングスは、今後もヘルスデータ事業推進センターを中心に、医療ビッグデータの活用を通じて製薬企業やアカデミア、医療機関の価値向上に貢献する方針だ。現在、国内約58施設の医療機関から電子カルテデータを収集し、多様なニーズに対応できるよう、ダッシュボード画面や解析・レポートサービス、データセット提供といったメニューを用意している。

 事業開発本部ヘルスデータ事業推進センター製薬ビジネス部長の伊藤克髙氏は「現在、国内約58施設の医療機関から電子カルテデータを収集し、製薬企業やアカデミア、医療機関に提供している。医療ビッグデータを活用していただくことで、まだ治療法が見つかっていない疾患に対する医療ニーズの顕在化をはじめ、医療データベースの活用による早期の医薬品開発を支援している」と述べている。

ニュースリリース


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