三思会は、職種や拠点を超えたエンゲージメント向上と情報共有の効率化を目的に、従業員体験プラットフォーム「TUNAG(ツナグ)」を採用した。7月7日、ツールを開発・提供するスタメンが発表した。2025年2月より全職員への展開を開始し、乱立していた情報共有基盤の集約や双方向コミュニケーションの活性化を図ることで、ノンデスクワーカーを含む約1,400名の組織力強化を進めている。
三思会は、神奈川県厚木市に拠点を置き、東名厚木病院をはじめ医療・介護分野で20事業所を展開する社会医療法人社団である。地域に根差した広範なヘルスケアサービスを提供している。
同法人では20の事業所にまたがる複数の拠点と、シフト制で勤務する約1400名の多様な職員が在籍しているため、情報伝達や現場のコミュニケーション環境にいくつかの大きな課題を抱えていた。従来の院内掲示板は特定のネットワーク環境からしかアクセスできず、シフト制で動く現場のノンデスクワーカーが必要なタイミングで業務連絡やマニュアルを確認することが困難であった。このため情報の伝達に偏りや属人化が生じ、現場へ確実に情報を届けるための「伝達・教育コスト」が組織の大きな負担となっていた。さらに、院内掲示板やワークフローシステム、各種連絡ツールなどの情報共有基盤が分散しており業務効率を損ねていたほか、従来の発信が組織からの一方通行になりがちで部署を超えた双方向のやり取りが生まれない環境も風土改革における課題であった。また、私的なチャットツールが一部で利用されている実態もあり、安心・安全かつ迅速にやり取りができる公式ツールの整備を求める声が管理職からも上がっていた。
こうした課題を解決し、経営層が掲げる「旧態依然からの脱却」や「若い世代を含めた現場の意見の吸い上げ」という組織風土改革のビジョンを実現するため、同法人は2025年度に医療・介護DXの推進基盤として「ICT推進課」を新設し、新たなデジタル基盤として「TUNAG」の採用を決めた。最前線の職員まで確実に情報を届けて伝達・教育コストを削減できる点に加え、双方向のコミュニケーションによるエンゲージメントの強化、そして医療・福祉法人に求められる強固なセキュリティとガバナンス体制を両立できる点が選定の決め手となった。
導入により、これまで乱立していた情報共有基盤をTUNAGへ一本化し、院外や個人のスマートフォンからでも重要なお知らせや各種規定・マニュアルへ瞬時にアクセスできる「法人ポータル」を構築した。これにより、情報伝達にかかるコストや現場の手間を削減した。
また、全職員に対してセキュリティが担保された法人公認のチャットツールを提供したことで、ガバナンスの効いた安全な連絡手段を確立した。コミュニケーション面では、各事業所の成功事例やお褒めの言葉の共有、現場のアイデアが他部署や経営層へスピーディーに届く仕組みが定着しつつあり、職種や拠点を越えた組織の見える化と一体感の醸成が進んでいる。直近では、6月1日に迎えた創立45周年記念企画として、歴史を振り返るカウントダウン投稿や、各部署が誇るナンバーワンを競う「お前がナンバーワンだ選手権」などをTUNAG上で実施し、法人全体での盛り上げに活用している。
社会医療法人社団三思会管理部総務課の武尾竜平氏は、組織が大きくなるにつれて見えにくくなっていた他部署の取り組みやお互いの仕事を知ることで、これまでとは違った双方向のコミュニケーションが生まれることに期待を寄せる。今後はTUNAGのさらなる活用を通じて法人内のつながりを強化し、保健・医療・介護・福祉の垣根を越えた多職種連携を加速させながら、職員一人ひとりが働きがいと誇りを持てる組織環境の確立と、地域を守る包括的なサポート体制の強化を推進していく。