三菱UFJ銀行、AIエージェント稼働で営業現場の意思決定を高度化

2026年3月26日09:00|ニュースCaseHUB.News編集部
x
hatebu

 三菱UFJ銀行は、金融業界特化型の自律型AIエージェント「Agentforce 360 for Financial Services」の本稼働を開始した。3月25日、セールスフォース・ジャパンが発表した。2025年8月に日本で初めて同ソリューションを選定し、約6ヶ月間の構築期間を経て利用を開始。行員とAIが共通基盤上で協働する「エージェンティック・エンタープライズ」への変革を本格化させ、営業担当行員の生産性向上と顧客体験の最適化を目指す。

 三菱UFJ銀行は、顧客データの一元化と営業力の最大化を目的に構築したIT基盤を中核に、AIエージェントの活用を推進している。今回の本稼働では、法人および個人営業の最前線で実務を担う行員への展開を見据え、本番環境での利用を開始した。背景には、行員が膨大な情報の中から必要なデータを探し出す手間の削減や、組織全体での提案品質の均一化という課題があった。

 Agentforce 360 for Financial Servicesの導入により、従来行員が手作業で行っていた顧客情報の収集と分析をAIエージェントが代替する。旧名称「Financial Services Cloud」である「Agentforce Financial Services」内のデータを横断的に活用し、顧客属性や取引履歴を網羅的に分析。これにより、行員はより深い顧客理解に基づいた対話が可能になる。

 また、行内に蓄積されたベテラン行員の知見やノウハウといったナレッジの継承も支援する。行員が自然言語で問いかけるだけで、過去の最適な提案手法や専門的なスキームを瞬時に特定できる。経験の浅い行員であっても、組織の暗黙知を即座に引き出せるようになり、提案品質の高度化が期待される。

 今回の稼働により、営業現場の行員は面談準備などの事務作業から解放され、精度の高い仮説を持って顧客との対話に臨めるようになる。業務効率の向上とともに、顧客一人ひとりのニーズに寄り添った付加価値の高い提案の実現を見込む。

 三菱UFJ銀行法人・ウェルスマネジメント企画部システム企画グループ次長の武井優氏は、AIと人間が融合した組織変革において、今回の本稼働は重要なマイルストーンであると述べている。蓄積された顧客データとAIが直結することで、営業支援は飛躍的に高度化し、顧客体験の最適化につながると期待を寄せた。今後は行内の様々なAIエージェントとの連携を進め、現場の営業力強化と顧客満足度の向上を目指すとしている。

 今後の展望として同行は、基盤内の顧客データに加え、最新ニュースや市場動向などの外部情報をリアルタイムで統合・分析する環境の構築を目指す。面談前に顧客の関心が高いトピックを優先順位付けして提示することで、さらなる準備時間の削減と対話の深化を図る。さらに、AIエージェントが個別の提案シナリオ策定を支援することで、行員が戦略立案や実行といった高付加価値業務に専念できる体制を整える。

ニュースリリース