福岡ひびき信用金庫、クラウドオブジェクトストレージ「Wasabi」採用でバックアップ運用を効率化

2024年9月9日08:55|ニュースリリース公開日 2024年8月29日|ニュースCaseHUB.News編集部
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 福岡ひびき信用金庫は、Wasabi Technologiesのクラウドオブジェクトストレージサービス「Wasabi Hot Cloud Storage」(Wasabi)を2次バックアップシステムに採用し、2024年1月から本格稼働を開始した。8月29日、Wasabiの販売元であるネットワールドが発表した。

 福岡ひびき信用金庫は、業務システムや顧客データの保護を強化するため、以前からバックアップアプライアンス「Rubrik」を用いて仮想化基盤、Oracle Database、ファイルサーバーの1次バックアップを実施していた。2次バックアップはRubrikとは別にテープ装置を用い遠隔地保管を行っていたが、イメージデータなどの大容量データが急増したことでテープへのバックアップが1日で完了しなくなっていた。

 そこで同行は、ランサムウェアや自然災害などのリスクに備える2次バックアップの重要性を鑑みつつ、コストを抑えたい要望を実現するため2次バックアップシステムの再構築を決定した。

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Wasabiによる2次バックアップの構成

 Wasabiは、Amazon S3との互換性を持ちながら、大手クラウドサービスと比べ低コストで利用できるのが特徴。高い堅牢性と高速なデータの書き込み/読み込みパフォーマンスも備え、既存のRubrikとの連携にも対応する。同行は5年間分の50テラバイトのリソースを容量予約制で調達し、検討時に候補に挙がっていた大手クラウドサービスと比較しコストを約30%削減した。

 Wasabiの導入は容易で、設定項目も少ないため、導入作業は約20分で完了した。導入後は、10ギガビット・イーサネット回線で実測値として約6Gbpsのバックアップ速度を実現している。ファイルサーバーは1時間おきにバックアップを取得でき、2次バックアップが1日で終わらない課題を解消した。

 Wasabiの導入で、従来のテープ交換や遠隔地への輸送/保管などの作業負担が軽減され、バックアップ業務にかかる工数を約75%削減できた。また、2次バックアップからのリストアが必要な場合も、テープのようにメディアを探したり、メディア不良が発生したりする心配もなく、短時間で確実にリストア作業が行える。

 現在、同行では14世代分の日次バックアップに加え、ファイルサーバーは5年間の長期保管用の月次バックアップも別途取得している。今後は、現在Microsoft 365のバックアップをクラウド上のRubrikに取得しているが、そのバックアップも含めWasabiのさらなる活用を検討する。

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