東京建物、契約書の条文参照と表記ゆれの確認をWord上で自動化 事業部門にも拡大

2026年10月9日09:00|ニュース|CaseHUB.News編集部
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 東京建物は、法務コンプライアンス部法務グループで、法務向け総合文書エディタ「BoostDraft(ブーストドラフト)」を使い、契約書や規程の条文参照と表記ゆれの確認を、Word上で行っている。10月8日、BoostDraftが事例を公開した。従来は、1回あたり10秒程度の確認作業が、1つの契約書で何十回、場合によっては何百回も発生していた。導入により、こうした確認作業の負担が軽くなった。法務グループでの利用開始の翌月には、各事業部門の企画セクションにも広がった。

 東京建物の法務グループは、契約書のチェックや法律相談への対応、社内規程の整備・改定など、同社の法務業務を担う。契約書は、まず各事業部門の企画セクションが一次の確認をし、そこで法務への相談が必要と判断された案件が、法務グループに上がる。ひな形のある案件は事業部門内で完結するため、法務グループには、ひな形のないイレギュラーな案件や、法的な判断の難易度が高いものが集まる。

 従来はWordで作業しており、形式面の確認が負担だった。長い契約書で「第5条によらず」といった参照があると、第5条までスクロールして内容を確認し、元の箇所へ戻る必要があり、そのたびに集中が途切れた。条文を追加・削除した結果、参照先の条番号がずれ、規程の更新を上長に提出した後に指摘を受けることもあった。契約書に「宅建業法第●条」と出てくれば、法務の経験が浅い担当者は、その都度、条文を調べる必要があった。表記ゆれの確認にはCtrl+Fのキー操作で検索していたが、確認できるのは、担当者自身が気づいた表記に限られていた。

 同グループは2024年、法務業務の効率化に向けた情報収集のために訪れた展示会でBoostDraftを知った。メンバー全員で試用し、導入を決めた。PCへのインストールにはDX部門の許可が必要だったが、Word上でローカルに動作するため、導入手続きも円滑に進んだ。

 導入後は、条文の参照先がポップアップで表示され、法令の条文もWord上で確認できるようになった。表記ゆれや定義語の不整合も自動で検知される。複数人のレビューで複雑になったコメントと修正履歴は、ワンクリックで統合でき、社外や部外に出す前に文書を整える作業が効率化した。法務グループの木下格氏は、特にこの統合機能を高く評価している。上長からの形式面の指摘はほぼなくなり、内容面の議論に集中できるようになった。効果を数字では測っていないが、作業時間の短縮に加え、集中が途切れるストレスから解放されたことが大きいという。

 利用は、法務グループの外にも広がった。木下氏が、ほぼ同じ時期に、住宅とビルの各事業部門の企画セクションに紹介し、法務グループでの導入の翌月には、各企画セクションでも使い始めた。企画セクションは、法務グループより多くの件数を日々チェックしており、契約書をチェックするメンバーはほぼ全員がBoostDraftを使っている。

 同社はMicrosoft Copilotを全社で使い、Claudeも限定的に利用している。木下氏は、AIでも表記ゆれを確認できるが、指示の入力や結果の確認に手間がかかると指摘する。一方、BoostDraftはWord上でそのまま使える点を評価している。今後は、動作が重くなることの改善と、安定した動作を期待している。

 木下氏は「形式面の確認はBoostDraftに任せて、自分たちは契約条件やリスクといった内容の検討に集中する。そういう使い分けができることに、BoostDraftの価値があると思う」と話している。

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