WOWOWは認証基盤システム「WIP」を刷新した。開発を支援したフレクトが12月16日に発表した。オープンソースの認証基盤ソフトウェア「Keycloak」を採用し、配信サービスの安定稼働とセキュリティ強化を図った。
日本初の有料放送を行う民間衛星放送局であるWOWOWは、近年、従来の放送サービスに加えて、スマートフォンやタブレット、スマートTVなどで視聴できる配信サービスも提供しており、利用者が増加している。注目コンテンツの配信時にはログインが集中し、システムの負荷が高くなるという課題を抱えていたため、セキュリティ強化を含めた認証基盤の刷新が急務だったという。
認証基盤の刷新にあたっては、フレクトが要件の整理段階から参画。製品選定も支援し、「機能面やスケーラビリティを考慮しKeycloakを選定した」としている。
Keycloakは認証の標準的なプロトコルである「OAuth 2.0」や「OpenID Connect」を採用しており、セキュアで使いやすい認証基盤が構築しやすくなるという。また、WOWOWはリアルタイム配信の最大ピーク時には秒間800ログインリクエストの利用を見込んでいるが、それに耐えられるパフォーマンスも現実的なコストで確保できるとしている。
さらに、マイページでのパスワードの移行、ユーザーIDの管理、セッション情報の保持など認証関連の機能をWOWOWの要件に合わせて自由度高くカスタマイズできる点、性能・負荷テスト、結合テストなどの環境やテストユーザーの準備が容易である点も、Keycloakを採用したポイントだったという。
WOWOWは今後、刷新したWIPをさまざまなシステムと連携させ、顧客体験の向上をさらに推進するとしている。