山形県、宮城県、秋田県でスーパーマーケットチェーンを展開するヤマザワとBIPROGYは7月16日、見切りシールのデジタル化と売価変更の自動化による、見切り業務のDXとフードロス削減を目的とした実証実験を7月18日に開始すると発表した。消費期限の短い惣菜類に貼っていた見切りシールをデジタルサイネージや ESL(電子棚札)での表示に代替し、段階的に最適な値引き価格の提示を行い、小売店の生産性向上や需要平準化によるフードロス削減を目指す。
ヤマザワでは、消費期限の短い惣菜類に従業員が直接見切りシールを貼り消費者の需要を喚起して販売機会創出やフードロス削減に取り組んできた。しかし、この見切りシールを活用した売価変更業務には、惣菜部門の約8%の労働力が発生しており、業務の省力化と効率化が課題となっていた。
今回の実証実験では、販売されている惣菜類の見切りシールを電子棚札(ESL)とデジタルサイネージでの表示に代替し、売価変更を自動化することで、従業員の見切り業務廃止とフードロス削減を目指した。また、イシダの計量ラベルプリンターと東芝テックのPOSシステムとの連携も同時に行い、最適なタイミングでの値引き表示を自動化する。
実証期間は24年7月18日から22日までで、ヤマザワ寒河江西店で実施した。検証項目は、値下げ価格の表示と売価変更の自動化、ESLとデジタルサイネージを活用した値引きや売価変更の表示、上記を実施した際の購買意欲の変化など。
24年3月に実施した第一弾実証実験では、約7割の消費者が値引き後の売価を認識できたことを確認しているという。今回の実証実験では、消費者の購買意欲への影響を最小化できる、より分かりやすい値引き価格の表示方法などを検証した。
BIPROGYとヤマザワは、24年中にヤマザワの複数店舗での実用化を目指す。BIPROGYはこの実証実験で全体統括と技術支援を担ったが、年度内に一連のソリューションを「フレッシュオプティマイザー」として販売開始する予定だ。