アーティゾン美術館、CX向上へチケッティングシステム刷新

2025年2月27日18:59|ニュースCaseHUB.News編集部
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 アーティゾン美術館は、顧客体験(CX)の向上を目指し、ロココのチケッティングシステム「tike-uke(チケウケ)」を採用した。2月27日、パーソルビジネスプロセスデザインとロココが発表した。

 アーティゾン美術館は、ミュージアムタワー京橋に位置し、古代美術から現代美術まで幅広い美術作品を提供しており、2023年には21万4874人の来館者数を記録した。2020年の開館時から日時指定予約制を導入し、2023年にはチケット予約率が76%を超えるなど、高い予約率を維持してきた。しかし、5年間で顧客の日時予約に対する意識変化や決済方法の多様化に伴い、手続きが複雑化するなどの課題が生じていた。また、「開かれた先進の美術館」として、スマートフォンを活用した「展覧会パスポート」の導入が求められていた。

 これらの課題解決のため、アーティゾン美術館は、2020年の開館時から問い合わせ窓口の運営を支援していたパーソルビジネスプロセスデザインと、チケッティングシステムを提供するロココと協業し、システム刷新に取り組んだ。

 パーソルビジネスプロセスデザインは、美術館全体の業務整理をはじめ、システム導入に向けた要件定義やオペレーション設計を一貫して支援した。ロココは、施設の規模や業務運営に合わせたカスタマイズが可能なtike-ukeを提供し、システムのカスタマイズを含む導入を担当した。

 tike-ukeは、来館者のチケット購入情報や入場情報などのデータをクラウドサーバーに蓄積し、管理画面からリアルタイムに状況把握を可能にする。これにより、チケット販売数の調整や入場人数の把握など、美術館運営の効率化に貢献する。また、年間パスポートの電子化も実現し、スマートフォン用会員ページからQRコードを表示することで入館管理が可能となった。従来のカード型パスポートにもQRコードを出力することで、全ての入館チケットをハンディリーダーで認証し、一元管理できるようになった。

 今回のシステム導入にあたり、パーソルビジネスプロセスデザインは、来館者の入館導線設計やハンディリーダーなどの入館認証用機器の導入・利用支援も行った。システム刷新で、チケット販売数や来館者数のリアルタイムなデータ蓄積が可能となり、これらのデータを分析することで美術館運営の効率化や顧客サービスの向上・改善に活用できる。アーティゾン美術館は、今回のシステム刷新を通じ、顧客体験の向上と運営業務の効率化を目指す。

ニュースリリース